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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゾンビな彼とゾンビな彼女

作者: 鎌勇

お暇なときにでも読んでみてください・・・

「う゛ー・・・」

「あ゛あ゛っ・・・」

 と、いったおぞましいうめき声が僕と彼女のいる部屋の外から聞こえてくる。

「・・・ねぇ、なおくん。私達もいつかは外にいる(みんな)みたいになっちゃうのかな?」

「どうだろう、美鈴(みすず)。けど、徐々にそれらしい症状も出てきてるから、ね・・・?」

 僕は、目の前で不安な表情を浮かべている彼女の美鈴に、そう伝えた。

「そう、だよね・・・。いつかは私達も・・・きっと・・・」

 彼女は、視線を床に落として物哀しげに呟いた・・・。


 僕らの暮らす街は現在(いま)、どこもかしこもゾンビ化した人々や犬、猫、鳥などの動物で溢れかえっている。

 そして彼らは、まともな言語ではなくただ、『う゛ー・・・』とか『ああ゛ー・・・』といった不気味で不快な音を発しているだけである。

 また、僕らの暮らしている街以外の地域でもゾンビ化した人々や動物がいるのか否か不明だが、この街だけでなく他の地域ないし国全体がこういった危機的状況に見舞われていたらと思うと何も言葉が出てこない。

・・・それはさておき、なぜ僕らの暮らす街でゾンビ化した人々や動物が現れたのか、僕と彼女の二人はなぜまだ屋外にいる皆のように完全にゾンビ化していないのか、この二点について説明しておくと理由は次の通りだ。

 まず、僕らの暮らす街にゾンビ化した人々や動物が現れるようになった経緯について話すが、きっかけは、この街にある国家が管理する研究所で未知のウィルスを解析していたこと。そして、何を思いたったか、その研究所は解析途中の未知のウィルスをを突然変異させようと(こころ)みるも予想外の不手際が生じ、その研究所から未知のウィルスが街へと流出。その後、研究所から流出してしまった未知のウィルス改めゾンビウィルスがヒトからヒト、動物からヒト、ヒトから動物、といったように伝染していき・・・その結果として僕らの暮らす街は現在のような惨事になってしまったらしいのだ。

 ここまでの話しが本当なのか否か出所こそ不明の風の便りにすぎないが、もし事実なのだとしたら許すまじき話しである。

 次に、なぜ僕と彼女の二人が屋外を縦横無尽に彷徨(さまよ)っている皆のように完全なゾンビになっていないのかというと、それは・・・これに関しては僕の勝手な予想の域を出ないのだが、僕と彼女の二人の体内には今回のようなゾンビウィルスを中和してくれる作用を有した抗体が存在していたために僕と彼女の二人は、まだ完全にゾンビと化していない。そのため、自分の頭で考えて行動することも会話をすることもできているのではなかろうか。

 ただ、以前とは違って二週間以上もの間、飲食せずとも死ぬことのない体になってしまっている。したがって僕と彼女は、まだ完全にゾンビと化していないだけであって徐々にではあるがゾンビ化が進行してきている。そう考えると、僕と彼女の体内に初めから存在していた抗体は、正確に言えばゾンビウィルスを中和すなわち打ち消してくれるもの、ではなく発症を遅らせてくれるものにすぎないのだ。

 それでも、僕と彼女がまだなんとかヒトの姿を保っていられるのは体内に奇跡的に存在していた抗体のおかげであることに変わりない・・・。


「・・・あのね、なおくん」

「ん?どうした、美鈴・・・?」

「あの、その・・・今日も性交(エッチ)しよ?」

「いいけど・・・。まだ、外はだいぶ明るいんだけど・・・」

「それでも、やりたいの。なおくんと・・・」

「わかったから、美鈴。じゃあ、やろうか・・・?」

「うん!なおくん、だい、だい、大好き・・・」

 その後、僕と美鈴は、互いがまだ人間(ヒト)であることを確認するための行為をすることにした。

 美鈴の膣は、以前と比べてしまりが悪くなってきていて、僕の陰茎は、あまり元気がなくなってきていた。それに、本来なら出るものも出てこなくなってしまっていたのだ。

 それでも、僕と彼女は互いが人間であり、まだ完全にはゾンビと化していないことを確かめ合った。


 そして、こんな僕らの関係がこの先も続いていけばいいな、とこのときは思っていた・・・・・・。

まず、最後まで読んでくださり有り難うございました。そして、ヒトによっては苦手な表現があったかもしれませんが、寛大な心で受け止めてくださればと思います。また、いつかの機会がありましたら宜しくお願いしたいです。

最後に、今日や明日が皆様にとって少しでも充実した1日になることをかげながら祈っています☘

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