第三話 俺と同じ者
ゴブリンやトロールなどが赤い光の目をこちらに向けて───
俺に向かって膝をついた。
「おいてめぇ!早くそのモンスター達を外に出せ!殺すぞ!」
鍛冶屋のじいさんがガヤガヤ騒いでいる。元はと言えば、アイツがキルアを馬鹿にしたからだ。
俺はまだ光っている赤い光の手を見た。使い方は分からないが、手をトロールの肩に置き、こう言葉を放った。
「アイツを殺せ。」
そう言った途端、トロールは動き出した。
「リュ、リューク!助けてくれ!」
我に返った俺は、まだキルアが近くにいる事を知った。哀れな事に、鍛冶屋のじいさんはキルアにしがみつき、震えている。
鍛冶屋の鍛冶場前までトロールが来ている。まずいと思った俺は、とりあえず
「トロール!止まれ!」
と言った。
俺の目が一瞬赤く光り、トロールが止まった。
鍛冶屋のじいさんはビビりながら、王都中央部の方へと逃げていった───
「キルア!」
俺は荒れたレンガの道を走りながら、鍛冶屋の前に崩れ落ちていたキルアに抱きついた。
「ごめん...俺のせいで...俺がこんな職業のせいで...。」
自分を責めているうちに、俺はキルアの近くにいない方が良いという事に気が付き始めた。
「リューク...。俺h...」
キルアが言葉を放とうとした瞬間、広場の向こうから、馬に乗った王国騎士団がやって来るのが分かった。
俺はモンスター達に、赤い光の手を向けながら
「帰れ」
と言った。
すると、モンスター達はやってきたルートを辿りながら、街の外へと出ていった。
「お前!モンスターを街の中へ連れてきて、何がしたい!街を荒らしたかったのか!?」
と、一人の騎士が怒鳴りつけてきた。
「俺は、鍛冶屋のじいさんに友人を馬鹿にs..」
言っている途中に、
「リュークは悪くねぇ!」
と、キルアが怒鳴った。
3人の騎士達が俺を取り押さえ、縛り、馬へ乗せて王都の中央部へと連れていこうとした。
薄らと見えるキルアは、涙を流していた───
───俺は王都中央部にあるアルカディア城へと連れ去られた。そして、地下にある牢獄へと監禁された。
腐った魚のような臭いがする。必要最低限の物しかない。狭い。早くここを出たい───
と、思っているうちに声が聞こえた。
「君は、何でここへ来たの?」
隣の牢獄からだ。どうやら、女の人のようだ。声が透き通っている。
「...俺はモンスター使いなんですよ。街の中へモンスターを放ったせいで、害悪人扱いされてるんでしょうね。多分。」
と言い放った途端、彼女は
「あ、私と同じかもね!」
と反応を示した。