第二話 友人の想い
「神の像から嫌われたんだ...。」
───え?
キルアの言った言葉は本当だった。あの日以来、街の人が俺を見る目が変わったのが分かる。
「ママー。モンスター使いがいるー!」
「見ちゃダメ。あの人は神の像っていうものからね、穢れた職業って言われたの。」
と言って、俺を避けていった。
大きな芝生の広場の中で、俺の周りだけ誰も人がいなかった───
俺の職業は モンスター使い だった。人々はモンスターを嫌う為、そんなモンスターを扱う役職を穢れてるとでも思っているのだろうか───
「キルアの兄ちゃん、聖剣士なんだってな。」
「いやぁ、そんなに凄くないですよ。」
鍛冶屋の前で、鍛冶屋のじいさんとキルアが話していた。あの日以来、キルアと俺は気まずくなってしまった。
「あ...。」
と、キルアが言葉を漏らした後、鍛冶屋のじいさんが俺に向かってこう言った。
「穢れた奴が勝手に歩いてんじゃねぇよ。お前は家で寝てろ。ほら、あっち行け。」
───怒りが込み上げてきた。
俺が言い返そうとした途端、机を叩き、キルアが言った。
「俺の友人を穢れたとか言ってんじゃねぇ!リュークはリュークなりに努力したんだ!何故そんな文句を付けてまで、アイツを嫌う!?」
と、キルアが言った。涙が溢れてきた。キルアだけが俺の救いだった─── しかし...
「キルアの兄ちゃん、穢れた奴を庇うなんて物好きだな。もしかして、兄ちゃんも穢れてんのか?」
意味が分からない。何故俺を庇っただけで、庇った人を穢れた人となるのか。意味が分からない。何故俺がこんな職業になったのか...。
───怒りが爆発しそうな瞬間、手が赤く光った。
大きな建物が並ぶ街の真ん中で、俺の手が赤く光り、一際目立った。
広場のベンチに座っていた人達が、
「何!?」
「遂に神から殺されるのかしら?」
「ちょっと、あの光、大きくなってない?」
なんて言って、騒いでた。俺も実際、この光が分からない。ただ、この光からは モンスターの臭いがした。
薄らと見える、街の塀がモンスター達の大軍よって崩れた。
「何何!?」
「絶対あの男のせいだわ!」
一般人はみんな広場の奥、王都の中央部へと逃げていった。キルアや鍛冶屋のじいさんは、その場で崩れ落ちていた。
俺は何故か怖くないし、モンスターから敵意を感じなかった。
レンガが引かれた大通りを荒らしながらモンスター達はこちらにやって来てゴブリンやトロールなどが赤い光の目をこちらに向けて、
俺に向かって膝をついた。