第一話 穢れた職業
───初めての小説となります。
───王都 アルカディア
人口120万人程のこの大きい街では、毎年 18歳になった、成人を迎えた人間に適正の職業を与えるという古来からの習慣があった───
多くの綺麗な建物が並ぶ大通りの真ん中に、一際目立つ、大きい大聖堂があった。
大聖堂の前に 成人が集まる。大きい行列になり、一人一人が神が作ったとされる像、通称 神の像 から職業を受け取る。
そして、今年 成人 を迎えた俺も、この大聖堂の前に並んでいた...。
「緊張するなぁ。」
と キルア が言葉を放った。キルアは昔からの友人で、とても頼りがいのある友人だ。
「もうすぐだね。」
俺の2つ前の人は、神の像の前に立ち 神の使い から職業を与えて貰っていた。
「よっしゃぁぁぁあ!」
と叫び声があがる。どうやら、相当良い職業に当たったらしい。神の像から貰える職業のランクは、FランクからSランクまである。
「おいおい、2つ前の奴、職業は リーティア だってよ。羨ましすぎるぜぇ...。」
「リーティアかー...。」
リーティアはAランク。回復特化の職業で、Aランクと言えば即戦力の職業だ。
「いよいよだな。お前、いい職業だといいな!」
と言われ、背中を押された。
大聖堂の中は、上がガラス貼りになっていて、ステンドガラスが綺麗な建物だった。
心の中ではめちゃくちゃ緊張していて、何の職業が欲しいか悩んでいた。
───Sランクの闇騎士か?いや...。
そんなのを考えていたら、神の使いが呪文を唱え、像の前に来た。
「この者の職業を教えたまえ!」
神の像は何も反応を起こさない。
「この者の職業を教えたまえ!」
と神の使いが言った途端、俺は謎の風魔法により、大聖堂の壁に叩きつけられた。
大聖堂の壁が少し崩れ、大きな音がなった。
大聖堂の前に人集りができていた。
───俺も何が起きたのか分からなかった。何故俺が飛ばされたのか。何故俺は意識が遠のいているのか...。そんな事を考えているうちに、気を失った。
───気付いたら、俺は キルア の家のベットに横になっていた。
ベットは綺麗に整っていた。
横には綺麗な花があり、それを見つめていたらキルアが部屋に入ってきた。
「...俺って、何があったんだ?」
と、身体を起こして言葉を吐く。
「...。」
キルアは何故か気まずそうに、身体を俺と違う方向に向けながらこう言った。
「お前は...。」
と震えながら
「神の像から嫌われたんだ...。」
───え?
理解が追いつかなかった。
神の像から嫌われる...それはつまり Fランク を表す。Fランクをこの街の人々は....
穢れた職業 と言った───