表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/60

閑話 勇者リーク

「金の冒険者 リーク。彼は、悪しき魔導士『冬の王』を討滅し、グランデ王国特別拒人区『精霊の森』を氷雪の災害から救いし者。その功を認め、『勇者』の称号を授ける」


 母を助け出した数日後。リビングに集まって、王宮から来た書簡を確認したら、簡潔にそう書かれていた。


「あら。じゃあこれからは、勇者、リーク様ね」


「止めてくれよ…」


 ローズに茶化されたが。


 俺は、あの魔導士を倒す切欠にはなったけど、ほとんど自分の力ではない。資金面はローズ頼り、魔導具の開発はイベリスが主導、そもそもキキョウが俺を鍛えてくれなければ辿り着けなかったし、アザリーがいなければ冒険者になってすぐ死んでいたかも知れない。


「いいじゃない。お母さん、リィちゃんの頑張りが認められるのは嬉しいわ」


「うん。母さんが喜んでくれるなら、貰って良かった」


「…リークさんって、お母さん大好きですね」


「うん」


 反射的に返事をした。キキョウ、イベリス、アザリーが顔を寄せ合ってゴニョゴニョ話す。


 内緒話はすぐに終わった。


「リークさん」


「うん」


「山奥に、今後2人きりで一生過ごさなくちゃいけないとしたら、誰と一緒がいいですか?」


「母さん」


 アザリーが固まった。ローズも、カップを持ち上げたまま固まっている。キキョウやイベリスも反応に困っていた。


「むふふ」


 母に頭を撫でられた。嬉しい。


「見てください。満更でもないって顔してますよ」


「いや、普通に喜んでおるぞ」


 いいじゃん別に。累計5年弱しか甘えられてないんだぞ。


「と、ところでお母様。リークの周りはこれから何かと騒がしくなります。お体もまだ本調子ではないようですので、静かな住居をご用意いたしましょうか?」


「ありがとう。大丈夫よ、ローズちゃん。10年も寂しい思いをさせちゃったんだもの。お母さんもちょっとくらい頑張んなくちゃ」


「母さん。無理はしないでね」


「分かってるわよ~」


 後ろから抱きしめられた。至福だ。


「母親への甘え方、五歳児で止まっておるのだな…」


「お母さんの子離れ出来なさもその辺で止まっていそうですね」


 やかましい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ