伝説のダンジョン(貸し切り)
『冬の王』とは何者か。
イベリスが指揮する研究チームは、過去に現れたのと同様の人型の魔物、すなわち魔人であると結論付けた。
由来も生態もはっきりしないけど、一つだけ分かったことがある。人間が死ぬようなことをすれば、死ぬ。
つまり、首を落とせばいいのだ。
では、何故王国は冬の王を放置していたか。ヴェスタリア領の英雄リナリアが敗北し、怖気づいてしまったから。
王国が重い腰を上げるには、母を超える英雄が必要だったわけだ。
実際には、ローズの言うことを聞かないと王様が生きていけなくなったから、なんだけど…。
王国の協力とは何かというと、武器だ。
『魔人殺し』という銘の剣がある。かつて王国に現れた魔人を倒した剣。エルフが呪いを込め、精霊が祝福し、ドワーフが鍛えた、魔人を殺すためだけの魔剣。それは、王国が所有し、盗難対策のために罠を張り巡らされた迷宮に保管されていたんだけど…中で魔物が繁殖し、現在はダンジョンになっている。
俺達は、これを取りに行かないといけない。
「これが、『魔人殺し』…」
ダンジョンに挑み、魔物を屠り、魔物を屠り、罠を破壊し、やっと奥へ辿り着いた。石壇の上に置かれた、古びた剣がある。これを手にするために…大した苦労はしなかった。
俺、キキョウ、アザリーの3人がかりで魔物を押し留め、イベリスが魔導で倒す。大体この繰り返し。時には前衛だけで倒しきってしまう。
罠の位置は全部教えてもらっているから、簡単に回避することができた。結果として、普段の探索と変わらない行軍で『魔人殺し』まで辿り着いてしまった。
「うむ。では帰るか」
「そうさの。ここかび臭いし、長居はしたくない」
「えー。隠れ家って感じ、しません?」
迷宮だけど、通路も教えてもらっていたので、迷うこともなかった。簡単に、とても簡単にダンジョンを攻略してしまった。
「どうした、リーク?」
「いや。なんでもない」
命の危険があるよりいい。いいじゃないか…。
こうして、特に危ないこともなく、『冬の王』討伐の武器を手に入れた。コネの力ってすごい。




