閑話 手紙
『リークへ
お父様の誕生祝いのプレゼントを一緒に考えてくれてありがとう。リークがうちへ来た時に、嫌なことを言ってごめんね。リークが、リークのお母様と協力して、私からお父様を取り上げに来たんじゃないかって怖かったの。
これから、仲良くしてね?
ローズ』
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『リークへ
リークと会ってから、1年経ったわね。リークがお話を聞いてくれるから、お勉強を頑張れるわ。いつも一緒にいてくれてありがとう。私はリークのお母様の代わりなれないけど、一緒に楽しい時間を過ごして、リークが寂しくならないように頑張るわ。
ローズ』
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『親愛なるリークへ
リークと会ってから2年、一緒に八歳になりました。この1年を共に過ごしてくれたことに感謝します。
驚きましたか? 私は日々、淑女として成長しているのです。今度、大人のお手紙の書き方というものを、あなたに教えてあげます。
最近、リークが体を鍛えたり、本を読む時間が増えてきて、少しだけ心配です。私は淑女なので、寂しくはないです。でも、リークが遊んだり、どこかへ出かけたいと思ったときは、時間を作ってあげます。
ローズ』
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『親愛なるリークへ
あなたと私は九歳になりました。来年には十歳。もうそろそろ、将来のことを考えてもいいかなと思っています。最近、お父様と書斎で難しいお話をしているのは、ヴェスタリア領の未来を一緒に作っていくつもりなのだと、思っていいのでしょうか。
私がリークとの関係を固めようとすると、リークは不安そうな顔になります。私はリークが好きです。一生を共にしたいと思っています。でも、私はリークの気持ちを捻じ曲げたくはありません。
リークの心がどこにあっても、私はあなたが素直でいてくれることを望みます。
ローズ=パワー』
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『親愛なるリークへ
お互い十歳となりました。この1年をあなたと健やかに過ごせて、私は幸せです。あなたは、何故、旅の荷物の中にこの手紙が紛れているのか、不思議に思っているのかも知れません。答えは簡単。あなたがお父様の書斎へ別れの挨拶に行っている間に、フランネルに紛れ込ませておいてもらったからです。
リークの心が未だに故郷の森と、リークのお母様に囚われていることは知っています。いえ、囚われているなんて言ってはいけませんね。あなたは、お母様を本気で救うつもり。あなたは、不当に奪われたものを取り返したいだけ。あなたは、未だにお母様と故郷を想っている、というべきでしょう。
リーク。私は、あなたの心の中には私の居場所もあると信じています。お母様を救い、故郷を冬の王の支配から解放したら、私の下へ帰ってきてくれると信じています。でも、それが少し早くなってもいいですよね?
ローズ=パワー』




