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新生活は木の上で ー幼女となったニートー  作者: にゃんたこ
二章:住めば都、慣れれば現実。
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35.フレンドリーな王様だった。

マキタの屋敷から馬車に揺られること数時間。

ドドンとそびえ立つ立派なお城。


そして通されたのは謁見の間。

奥には玉座に座った王様。


マキタの仕草を真似つつ、平伏するそぶりでご挨拶。

「この度はお呼びいただき光栄です。着の身着のままで恐縮では

 ございますが、急ぎ馳せ参じました。」

適当な口上を述べておく。


今回の私の目的は、余計なゴタゴタに巻き込まれないようにすることと、

私の仲の良い人に危害を及ぼさないよう、牽制すること。

相手が聞く耳を持たない横暴な人なら、こちらに関わりたくないと

思うくらい、脅すことだ。

まずは、出来るだけ丁寧な応対をしつつ、相手の出方を伺うことにする。


「うむ。遠方より足労であった。」

王様は鷹揚に頷き、手の仕草で人払いを行う。

そして案内と、警護の兵は部屋を出て行った。


残ったのは、王様、近く控える騎士さんひとりと、

私たちふたりだけ。


すると王様はニィッと口角をあげ、いたずらっぽく語りかけてきた。

「マキタに聞いていた話とずいぶん違うじゃないか、えらく丁寧だ。」


ん?、と横のマキタに目を向ける。


「まるで私が陰口を叩いていたような言い方は誤解をまねきますね。」

と、私の隣には苦笑するマキタ。


「あの、私のことは事前にご存知ということですか。」


「ああ、マキタから身分にとらわれず交流できる女性だと聞いている。」


表情とやりとりからすると、二人は以前からの知り合いで、

私のこともある程度話しているということか。

そういえば、はじめのマキタからの依頼も、王都への道を

復旧したいということだった。


なら、猫をかぶる必要もないか。

「では、そのように。」

跪いていた体を起こし、話しかける。


「わざわざお呼びいただいたのは、どういったご用件でしょう。

 権力の中枢と関わると、嫌な予感しかしないので、

 私としてはできるだけ関わらず静かに暮らしたいのですが。」


「実に素直でいい。別に君に何かをお願いしようというわけではない。

 噂と、マキタからの話を聞いて、ぜひ会いたいと思ったのさ。」


「そうですか。であればいいのですが。」


「呼びつけるような形になって悪いね。立場上、自由に動きづらくて。

 いや、実はこそっとマキタの所に会いに行こうと思ったのだが、

 止められてね。」

と、脇に控える騎士に目を向ける。


「懇意にしているマキタ様の屋敷といえど、未知の力を持つ者の

 いる場所へ単身出向かれることは危険です。」

金髪碧眼、鎧を身にまとい帯刀した騎士が答える。

身長180センチくらいはあるだろうか。

イケメンで身長も高いとは羨ましい。


「お付きの方の心配はごもっとも。しかし、私がここにくるのは

 かまわないのですか。もし、私が王様に害意を持っていたなら

 それも危なかったと思いますが。」


「罠が仕掛けられてでもいない限りは、問題ありません。」


そこまでいうからには、相当腕に覚えがあるのだろう。

別に敵対したい訳ではないのだけれど、どんなものか見てみたい。


「なるほど。もちろん、私は王様に危害を及ぼすつもりはありません。

 想定していたのは相手が私に何かをしてくるなら、自衛するという程度でした。」


「王を愚弄なさるのか。」


「失礼。いいえ、そのような意図はまったくありません。

 お会いするまでは、あなたにとっての私と同じように、

 私にとっての王様は見知らぬ方、警戒するのもおかしくはないでしょう。」


私の言葉に、怪訝な表情をする騎士。

「トーショ領に住んでいて、王を知らぬということもあるまい。」


あ、そこ。そこね。普通は知っているわけね。

「度々失礼を。森の中に住んでいた田舎者ゆえ、世情に疎く、

 領主様の存在も、王様の存在もつい最近まで知らず過ごしておりました。」


騎士の視線はマキタに注がれる。

「ああ、マコトの言っていることはおそらく本当ですよ。

 私のことも全く知りませんでしたし。」


「ふむ。そうであれば、貴女の態度はわかった。」


「ええ。ご理解いただけてなにより。

 さて、何かあっても問題ないと言った貴方のその力、

 ぜひ拝見したいのですが。」


「王に危害をなさない以上、貴女は王が呼ばれたお客人だ。

 私が力を振るう理由はなにもない。」


あら、結構冷静な人のようだ。

対人で私の魔法がどのくらい通じるのかやってみたかったのだけど、

無理強いするのもおかしいか。


「わかりました。それは残念ですが、機会がありましたらぜひ。」


「いやはや、噂以上に面白いね、君は。」

と、笑顔でこちらを眺める王様。


「それは、光栄・・?です。」

褒められているのか、嫌味なのかわからないが、

笑顔なので悪い感情ではないだろう。


「そんな君にちょっとしたお願いが。」


はい、お願いキター。さっき特にないっていいましたよね。

「あの、特にお願いはないのでは・・・・。」


「うん、大丈夫。政治とか、権力とかそういう話じゃないから。

 ほら、こっちにおいで」

王様が奥の部屋に声をかけると、扉の間からおずおずとできたのは、

十才くらいの男の子だった。

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