20.納品完了。
冒険者ギルドに持ち込んで納品する。
「リック。コショウとミントを採取してきたよ。」
「お、ずいぶんと早かったね。」
「うん。たくさん生えている場所を見つけたんだ。」
バッグに詰め込んでいた素材をカウンターに取り出す。
コショウに続いて、圧縮していた大量のミントを並べると、
リックが固まっていた。
「どこに入れていたんだ……。そのバッグ、そんなに入らない……よな。」
「ええと、ちょっとしたコツがありまして……」
リックの目の前で、圧縮しているミントを、元の大きさに戻す。
彼は、言葉を失って、しばらく動かなかった。
「マコト。今のは……?」
「魔法でミントを空間ごと圧縮したんだよ。そうすれば小さくできるから。」
「そんな魔法は聞いたことがないが……。
ともあれ、状況はわかった。その魔法はあまり人前で見せないほうがいい。」
「空間を操る魔法は珍しい?もしかして空を飛んだりする魔法も?」
「珍しいどころか、聞いたこともないよ。
身体強化で高く飛び上がることはできるが。
魔法で自由に空を飛ぶだなんて、夢物語だと言われている。」
魔法といえばなんでもできるイメージだったけれど、
そうでもないのか。
自分ができることと、この世界の常識をすり合わせる必要がありそうだ。
「そうなんだ。さっきの魔法は気をつけて使うようにする。
えっと、この納品で依頼は達成になるのかな。」
「うん、そうだね。納品した量に応じて褒賞が支払われるから、
この量だと小銀貨5枚で買い取るよ。」
小銅貨10枚で大銅貨1枚に、大銅貨10枚で小銀貨1枚に、
小銀貨10枚で大銀貨1枚になるらしい。
銀貨と金貨の関係も同じく10枚ごとだそうだ。
「じゃあ、お願いします。」
「了解。ちょっとまってね。」
リックは素材をしまい、小銀貨5枚を用意してくれた。
「こうした採取系の依頼は結構あるから、またよろしく。」
「わかりました。ちょくちょく見に来ます。」
お金を受け取り、ついでに食料や服を買うためのお店の場所を聞いて、
ギルドを後にした。
さて、小銀貨5枚でどれほどのものが買えるのだろうか。




