16.シャワータイム。
扉を開けると、木張りの浴室があった。
手前にはシャワーと洗い場、奥には木で作られた小さめの浴槽がある。
シャワーはホースに繋がっておらず、根元に藍色と紅色の石が嵌め込まれている。
コンロと同じように魔力を注いでお湯を出すのだろう。
シャワーの横には、鏡が備え付けられていた。
そこに目をやると、黒髪の少女が映っている。
透き通るような白い肌、艶やかな黒髪、
吸い込まれるような黒い大きな瞳、桜色の唇、
すらりと伸びた手足、
成長の兆しが見える胸元に、少しくびれたウエスト、
それでいて痩せすぎているわけではなく、ほのかな丸みを帯びた身体。
タミルやマーサが可愛いと言っていた理由がわかった。
たしかにこれは美少女だ。
町中で出会えば、振り返ってじっと見つめてしまうかもしれない。
どうにも自分とは思えないが、自分が動けば鏡の姿も動くのだから、
俺の姿で間違い無いのだろう。
このまま見つめていても体が冷えてしまう。
シャワーを手にとって、水量と暖かさをイメージして魔力を注ぎ込む。
出てくる水を触りながら、徐々に温めてちょうど良い温度になった。
全身をさっと流し終えて、風呂場からでる。
そういえば、タオルがない……
しょうがないので、手で体についた水気を払い、
裸で部屋の中をうろつく。
どこぞの国では、自分の家で裸でくつろいでいた男性が
猥褻なものを見せつけたとして訴えられていたが、
今の俺なら、そんな心配はあるまい。
家の中は風通しもよいので、数分もすれば
いい具合に体が乾いた。
いざ、服を着ようとしたのだが、着ていたワンピースしかない。
下着は水洗いして、乾かし中なので、どうにもスースーする。
色々買い込まないと、不便そうだ。
家の中にはお金が見当たらなかったし、
今度マーサにお金を稼ぐ方法を聞いてみよう。
ノーパンで向かうのは流石に痴女っぽいので、
まずは下着が乾いてから……だな。




