#5 出撃 Sortie
サクラはまた夢を見た。
最初は波、次いでRAT、最後にTFP。
断片的で意味がわからなく、夢を見た本人が一番半信半疑だったが、目覚めると隣りになぜか河原田先生が下着姿のまま布団から転がり出ていて、さらに混乱した。
「すみませんすみませんすみません。」
河原田先生は目が覚めてからずっと謝り続け、顔を洗いながら謝り、来客用の歯ブラシを借りては謝り、朝食で出された熱々の焼き銀鮭でご飯をお代わりしては謝り、最後には御馳走様でしたという仕草をしながらすみませんとおじぎをして茶碗をローテーブルに置いた。
そしてそそくさとサクラより早く学園に出勤した。
サクラはサクラで昨日、キウィフルーツを何個か食べたところから記憶がなく、久保田老から初期の可逆熱行程エンジン潜水艦の話を聞いたかどうか父親にたずねて、代わりに昨夜のキス魔の写真を見せられ、朝から大笑いされる始末だった。
「え〜? え〜? 覚えてないよ〜! 誰にキスした? ねぇ誰にキスしたの?」
真っ赤になってうろたえる姿に、両親は朝から大笑いだった。
「ねぇしずえさん。」
朝食後、母親の食器洗いを手伝いながら、サクラが尋ねた。
「何? キスした相手のこと?」
「違う違う! も〜その話は終わり終わり!」
真っ赤になって泡のついた手を振ったので、小さなシャボン玉が辺り一面に漂い、朝日にきれいに照らされた。
「違くってさ……わたし、小さな頃から、RAT見えてたのかな? 何か……記憶無いんだわぁ。」
「そうね。小さな頃はね、よく何かを追いかけてたわ。わたしには見えない何かを追いかけて。で、今と違って、普通の地震も起きる前にわかった。仁斗田の人たちが面白がってね、サクラの地震予報って毎朝広報で流したくらいだったそうよ。」
遠くを見つめるように、しずえが言った。
「その話、よく聞くんだわ。でも今じゃ、普通の地震はよくわからないな〜。この前の地震、びっくりしたわ。震度5強!」
「でも、もっと重要なことがわかる。」
しずえが言った。「あなたがいたから、今のDG-TPがある。タシロ計画があるの。」
「わたし、そんな特別じゃないよ。」
くすぐったそうに苦笑した。
「猫神様の使いだって言われるけど……。」
しずえは黙ってサクラの言葉の続きを待った。しかしサクラはただにっと笑って、それきり何も言わなかった。
サクラが登校した後、震次郎は長いことかけて読み終わった東北タイムズを改めて逆から読み返した。
昨日は『金華山サイダー』ロゴの黒Tシャツだったが、今朝は『中華楼』というロゴの黄色Tシャツだった。
東北タイムズは東北州最大手の古参新聞社で、QRを利用したバーチャルペーパー新聞ではなく、未だに紙の新聞を発行している。
今時珍しい紙の新聞の記事は、国会が移民受入政策継続の是非で紛糾しているとか、長野圏松本市の合成化石燃料合成プラント竣工式で産業省の閣僚が失言したとか、ФНАが柬埔寨国境に有脚森林戦車を展開し、台湾が軍事協定に基づき派遣される見込みとか、今、流行のツンデレアナウンサーが悪徳政治家と付き合ってるとか、岩手圏田老域に新しいRNF研究プラントができるとか、石巻市の老舗ラーメン屋・中華楼ブランドの偽物が出回ってるとか、南浜慰霊森林帯に移設予定の東日本大震災記念館に自然保護団体が噛みついたとか……世の中は平和そのものだった。
強いて感慨深い記事はと言えば、毎日楽しみにしていた四コママンガが作者高齢を理由に終了するとのこと。
思えば小さな頃から親しんでいたマンガで、感慨深いものがあった。タイトルは『せんだいごろう』。かつて仙台中央に実在していた生きた福の神がモデルだったはずだ。
しずえはそんな震次郎の呑気な感慨には気づきもせず、布団を庭先に運び出していた。
5月の風が阿部家を吹き抜けた。潮風に乗って、仁斗田の岸壁からワカメを茹でる匂いがしていた。しかしワカメ漁もそろそろ終わり、しばしの間を空け、夏になれば昆布漁が始まる。
「しずえさん?」
ふいに震次郎がつぶやいた。「……大丈夫かい?」
「……何が?」
しずえはサクラの布団を二階から下ろしてきたところだった。
「サクラは、気づいてるんだろう?」
「……昔からね。」
しずえはサクラの布団をぎゅっと抱きしめた。「わたしが初めてサクラに会ったのは、サクラが五歳の頃だもの。」
「もう、一二年か……。」
震次郎は東北タイムズをテーブルの上に丁寧に畳んで置いた。社会人になって田代島を出て以来離れていた『せんだいごろう』だったが、その頃から再び毎日読むようになったと思い出した。田代島に帰ってきて、幼いサクラと一緒に暮らし始めたからだ。
「辛く……なかったか?」
「あなたがいたから、タシロ計画はここまできたのよ。サクラをここまで育て、米国や露国まで巻き込んで。一二年は長くはなかったわ。えんしゅうの二の舞は避けられる、それだけでわたしは十分だわ。」
しずえは言った。「でも、ESZが渋らなければ、サクラは、名実ともに世界平和のために、RATを追って、TFPを追って世界を飛び回ってたはずなのに、DG-TPはDG-UNTPだったはずなのに、それだけが悔しいわね。」
しずえはサクラの布団に顔を沈めた。
「えんしゅうの事故、あれは残念だった。海洋FTPはまだ未解明の分野だ。天沼矛の運用もまだ数えるばかり。」
「少なくとも、巨人の尾がしっかり運用されている今なら、犠牲は最小限に出来るわ。」
しずえは庭に出、震次郎はミサンガ状に手首に巻き付いていたQRを宙空に投げ上げた。
一瞬だけ三石崎重工のロゴが表示され、すぐに四隅が丸くなった大昔のブラウン管風の窓が開いた。
本日のTFP予想。提供が三石崎重工の、権限フリーのQRだ。
日本近海一ヶ所が赤い以外は、平穏。しかし赤い六角形の表示・TFP発現確定場所を示す赤六角は『処置予定無し』だった。
昨日のサブDC情報によるもの、と思ったが、本来は『監視待機中』という表現のはず。
「宝田?」
壁に貼った勤務割りによれば、網地島CL勤務となっている。本郷はヤタガラス整備で、明日来る三石崎重工の定期検査の準備。事務所は震次郎の当番で、もうすぐ出かける予定。ブラウン管風窓に表示された現在地時刻を見れば八時。
宝田は始発から勤務中だろうが、確認しようか悩んでいると、DGクルー全員に同時に繋がる同報QWが開いた。
【サクラがRATを見つけた! 巨人の足跡!】
キャシーが報告した。【緊急度Aマイナー。一時間以内に発現する可能性八〇%!】
「海の奴か?」
【イエスサー。】
キャシーが走りながら同報QWしているのが、画像の揺れと漏れ聞こえる息づかいでわかった。
「Aマイナーなら時間が無い。教室で管制できるか?」
【イエス、イエスサー。】
「サクラたちの輸送は?」
【NBL運用中です。無理です。】
と、ついさっき連絡を取ろうか逡巡していた当の宝田は、いつものように No Image の同報QW。
【自分も無理っす! ヤタガラスの出発準備で手一杯っす!】
と本郷。
【内火艇出します。】
と久保田老。
「事務所はわたしが行くわ。」
しずえが庭から駆け戻るとエプロンを居間に放り投げ、すぐ家を出ていった。
さっき話していたばかりの海洋TFPのケースである。仁斗田の街へ駆け下りていくしずえの表情は、堅く険しかった。
【お父さん! わたしとアサミ、どうすればいいの!】
走りながらサクラが言った。
【サブDC準備完了、赤六角は和歌山沖、事務所は対応準備願います。】
とナスターシャ。【ただし、現在日本とは契約未締結。TFP処置はサービスです。】
「おいおい、聞いてないぞ!」
震次郎は思わず叫んだ。
【日本は契約内容の変更を求めて、更新を保留しています。現在、DG-TPには日本におけるTFP阻止の契約上の根拠はありません。】
と宝田。
だから赤六角に関わらず『処置予定無し』だった。
震次郎はぐぅと唸るだけだった。日本に限らず、DG-TPの契約関係は宝田一任だった。把握し切れていなかった、と震次郎は後悔した。
【ケイヤクとかわかんないよ! 出動していいんでしょ?】
とサクラ。
「久保田老の連絡艇しかない! 仁斗田まで二十分、それまでに港まで出ていてくれ!」
発現まで一時間以内。
赤六角は南海トラフ直近で、約八〇〇キロの距離。ヤタガラスの再突入航法を使うにはあまりに近すぎる。サクラとアサミの移動に往復四〇分、ヤタガラスのRRドライブ飛行で過減速時間を入れて二十分弱か? 時間的余裕はほとんどない。
「ナスターシャ、処置を見送った場合の、津波の規模は?」
震次郎は最悪のケースを視野に入れた。
【紀伊半島と四国州南岸に約四メートルの津波。避難は間に合うと思います。南海地震を励起すれば、津波の規模は倍増、被害面積も広がります。】
とナスターシャ。
「しずえさん! 紀伊半島・四国州に津波警報を流して!」
【了解!】
しずえは仁斗田の街中、簡易郵便局の近くにある事務所に到着しているようだった。
【交通省にも情報提供するわ!】
「頼む! 本郷、再突入航法は無理か? せめて飛行時間を10分短縮したい」
【和歌山沖なら再突入するためには垂直発射施設が必要っすよ! 上昇角に限度が!】
震次郎はうぅと唸るしかなかった。
本来、ヤタガラスのRRドライブはマッハ二〇以上で大気圏外に飛び出し、再び大気圏突入するためのもので、大気圏内ではその速度は発揮できない。
「久保田老!連絡艇は?」
【潮が変わって船足が……! 三〇分見てください!】
タシロアイランドの連絡艇は船齢五〇〇年を越えた年代物で、船脚が遅く、潮の影響も受けやすい。
これでは間に合わない。
震次郎が諦めた瞬間、同報QWに金色の髪が映った。
【わたしが二人を連れていきます!】
とゲルトルーデ。【間に合わせます!】
「ゲル、何言ってるの?」
サクラはスーパーまごやの前まで駆け下りて来たところで、車椅子のゲルトルーデを振り返った。ゲルトルーデの車椅子は最高速仕様のようにぺったりと低く変形している。
「タシロアイランド、ヤタガラスやアマノヌボコのところに、すぐに行かなければならないんでしょう?」
「久保田さんが連絡艇で迎えに来るよ」
「今、時間がかかるって言っていました。間に合わないと。」
ゲルトルーデは昨日のことをおぼえていた。
『絶対! 絶対!止めて見せるもん!』
泣きながらそう叫んでいたサクラを、おぼえていた。
「そうだけど……どうやって?」
いつものようにスーパーまごや前の日溜まりで屯するたくさんの猫たちの間に立ち、サクラは首を傾げた。アサミは何も言わずに二人のやりとりを見つめるだけだった。
「わたしなら……。」
ゲルトルーデはゆっくりと高速形態の車椅子から立ち上がった。
はらりと落ちた膝掛けの向こう側、スカートから覗くゲルトルーデの脚、裸足にスリッパを履いているその生脚が、明らかに自然のものでないことがわかった。
「二人をすぐにタシロアイランドに連れて行けます。」
その滑らかなラインはまさに工業製品の滑らかさ。ゲルトルーデの脚は、樹脂か何かの素材で構成された、人工物だった。
「え〜〜〜〜?」
サクラは驚き、しばし声を失った。
【サクラ、緊急時だ! ゲルトルーデの言うとおりにしろ!】
と震次郎。【ゲルトルーデはそのままヤタガラスに搭乗しサクラをサポート】
「ゾシテモン」
了解と答え、ゲルトルーデは混乱したサクラを抱きしめ、途方に暮れたように佇むアサミに手を差し伸べた。
「行きます。可能な限り足を縮めてわたしにしがみついて。SドライブとRRドライブのコンボですが、噴射ガスとの摩擦で火傷するかも知れません。」
アサミを半ば強引に抱きしめると、強烈な風が巻き上がり三人の制服のスカートがばさばさとめくれ上がった。
「キャ!」
猫溜まりの猫たちが驚き散り散りに逃げ去り、スーパーまごやの店先に並んでいた商品もばたばたと吹き飛んだ。
「エストゥツミーライド! 緊急事態なの!」
ごめんなさい!
風を巻いて物凄い勢いで上昇し、次いで水平飛行に入った。
風で息ができない、目を開けられない、髪が、スカートがばさばさと風に乱される。
しがみついたゲルトルーデの細い体、小さな胸やお腹周りは温かく柔らかかったが、サクラたちを抱きしめる腕や背中は、固く冷たかった。二人を抱えるのが、人形のような作り物の腕だとわかった。
だから、握手を拒まれたんだ、だから車椅子も異常に重かったんだ、とサクラが気づいた瞬間、ゲルトルーデはがくりと体の向きを変え、高速移動から急激に減速した。
目を開ければ眼下に巨大な黒い翼、ヤタガラス。翼幅四〇メートルを超える全翼機・機体と翼が一体となり尾翼を有しない黒い怪鳥。
「早い! もう着いたの?」
ゲルトルーデは答えず、二人を抱えてタシロアイランドの広い滑走路に降り立ち、そのまま膝を崩してしゃがみこんだ。
「ゲル?」
サクラが心配そうにゲルトルーデを覗き込んだ。アサミはゲルトルーデの作り物の腕を振り払い、転がるように内部格納庫に駆け下りていった。
「イッチ ビン オーケー トゥツ。」
わたしは大丈夫です。
「コンボドライブは、電力消費が……」
ゲルトルーデは蒼白な笑顔をサクラに見せた。「わたしの体のほとんどは、電気仕掛けだから……。」
コンボドライブで過剰に消費された電力は、ゲルトルーデの人工の心臓の動作にも影響を与えるのだったが、サクラはまだそれを知る由もなかった。
「どうしたらいい? コンセントで充電するの?」
サクラはうろたえ、素っ頓狂なことを聞いた。
「大丈夫、すぐ供給が追いつきます。サクラは出動準備して……。」
【サクラ! ヤタガラス出られる! 早く来い!】
同報QWに焦っている本郷の顔。
【アマノヌボコもOKや!】
とアサミの同報QWも目の前に浮かんだ。
「ゲルトルーデも一緒に来るんでしょう?」
サクラはゲルトルーデの腕、固い人形の腕を掴んで、ぐいと立ち上がらせた。肩を貸すように、外燃エンジンを回し始めたヤタガラスに向かって、一歩一歩足を進めた。
「わたしを……助けて……。」
サクラが言った。「空飛べる仲間ができたんだわ。最高だわ……」
ゲルトルーデはサクラの言葉に、蒼白な笑顔で返した。
「何してんねん! 早ょ来ぃ!」
ヤタガラスの昇降タラップのところからアサミがきつく叫んだ。すでに制服を脱ぎ捨て、つなぎに着替えている。
「わ、わかってる!」
サクラが息を切らして答えた。ゲルトルーデの機械の身体は重いのだ。そしてゲルトルーデも頑張って歩みを早めたが、その足は歩くための機能が十分でなかった。その足は、高速で飛行すること、そして離着陸の際の着陸脚としての機能のみが求められており、歩行は考慮されていなかった。
「掴まって……」
ゲルトルーデはぐっと唇を噛みしめると、サクラの体を抱きしめ、瞬間的に再びコンボドライブを吹かした。
「わ!」
サクラとゲルトルーデはそのままヤタガラスの昇降タラップに飛び上がり、アサミは驚き飛び退いた。
「本郷! 出して!」
サクラが叫び、ぐったりと倒れ伏したゲルトルーデをアサミに託すと、転がるようにアマノヌボコの収まった機内格納庫の中、第三の足である多目的可動梁が支えるアマノヌボコに向かった。
走りながら制服を脱ぎ捨て、下着姿でロッカーから災害防護服・DGスーツ一式を取り出した。
【ヤタガラス緊急発射!】
激しい揺れがサクラをひっくり返した。
ヤタガラスは、元々日本軍のオオガラス、つまり再突入輸送機。
外燃エンジンで離陸後、RRドライブで再加速、大気圏外へマッハ二〇以上の速度で準弾道飛行しつつ、目的地に向かって再突入する戦略輸送機である。
広い範囲でTFP阻止を行うために必要な装備であったが、距離が近すぎる場合、運用に支障が出る。今回も大気圏内での運用となり、最高速度が発揮できない事情があった。
ヤタガラスはその巨体に似合わず優秀な短距離離陸性能を発揮し、タシロアイランドのわずか四〇〇メートルの滑走路から飛び立ち、真っ直ぐ南西方向、紀伊半島沖の赤六角に向けて高度を上げ、ほどなくRRドライブを稼働させ、急加速した。
急加速したヤタガラスの機内、サクラは転がりながらも、下着の上から特殊なスーツを身に着け始めた。
「も〜面倒くさい〜!」
サクラが愚痴るのも当然だった。
まず、それぞれノースリーブ、膝丈レギンスタイプの白のインナー上下を着込み、臙脂色のコルセット型プロテクターで首、胸の両サイド、おなかから腰回り、ももの横をきっちり覆う。
プロテクターのスカート状の裾には可愛いデザインのポケットが左右二つずつ。救助用グッズがぱんぱんに押し込んであり、闇の中でも光るボタンで止められている。
ピンクのアッパーが可愛いくるぶし丈のセーフティーブーツを履き、両足それぞれに白い環を腿の辺りまで通し、環に直交した短いグリップを操作すると、ピンク色のレッグガードが瞬時に展開し、サクラのブーツの上、引き締まったすねからももをぴっちりと覆う。
最後にピンク色のジャケットを羽織る。ジャケットは前が大きく開いており、臙脂色のコルセット型プロテクターとぴったりと密着して、初めて上半身を完全に覆う。ジャケットの肩口にも可愛いポケットがあった。
ジャケットの袖口の大きな環を回すと、環から噴射された液体がサクラの白い指先に臙脂色の膜となって広がり、瞬時に使い捨てグローブを形成。
「やっと終了〜!」
サクラはやっとのこと着替えを終え、アマノヌボコのコクピットに這い上がった。
【サクラ、赤六角まであと約二〇分。水深は二〇〇〇から四〇〇〇以上、南海トラフも含まれ、見込みが立てにくい。】
「全然大丈夫! いつでも準備OKよ! チュッ!」
サクラは同報QWの中の本郷に投げキッスをして見せた。「昨日の晩、わたし本郷にキスしたっけ?」
【ああ、熱い奴をブチューッとやられたよ。】
やられそうになった、が正しいが、サクラの緊張を和らげようとして、ふざけてそう言った。
「そ、そりゃ良かったじゃん! 女子高生の熱い口づけなんてめったに体験できないわよ」
言いながら、恥ずかしさで頬がかーっと熱くなった。「やっぱしてたんだ……。」
(C)smcpせんだいみやぎコンテンツプロジェクト実行委員会




