#6 二日目と三日目 Second day and Third day
二日目は京都中央地上見学。
京都の歴史を甦らせた広大な再現都市を、あますところなく見学する。
「ではグループ毎に出発します。QRを先生がしっかり監視していますから何かあっても落ち着いて。大丈夫ですから、本当、大丈夫、あわてないで、いいですか、大丈夫、ね、大丈夫。」
河原田先生の方が心配だったが、二年生は元気にハーイと返事をしてホテルを出発した。
夜と異なり、光の下で見る京都中央は活気に満ちていた。
基本は平安京の再現都市であるが、すでに存在する他の時代の文化遺産はそのまま保存されている。既存の文化遺産の物理的な隙間に存在した一般建造物を長い年数かけて地下に移転し、空き地に平安時代の街並みを配し、整然とは言えない、多少ならず無理のある平安京が再現された。
実際、右京と呼ばれる平安京西側は宅地開発が進まずに一〇世紀には廃れてしまったはずだが、倒壊し野ざらしになったというあの有名な羅生門、東寺と対として建立されたが廃れてしまった西寺を含め、荒廃していた部分が整然と平安京の形をしている。あくまで『計画上の平城京』の再現の意味合いが大きいので注意するように、とQRの自動ガイドが言っていた。
そんな時代の入り組んだ『再現平安京』の往来を埋めるのは、時代装束に身を包んだ人々。時代衣装体験の観光客の他、大部分は当時の様々な職業を再現する本職の俳優たち。
かつて京都中央に存在していた映画撮影所は廃れて久しいが、今や俳優は平安京の日常を文字通り演じるためにフルタイムで生活しているのだった。
実は田代学園の演劇サークル出身OGの多くも、古都州の俳優に就職している。一部の見学グループはそんな先輩の職場を訪問するのだが、サクラたちのグループ、DG—TPのTFP対応のために許可されたテーマ不問(レポート不要)グループは、出発早々仲違いしていた。
「まずは御所でしょう。米国で言えばホワイトハウスみたいなもんでしょ? 違う?」
とキャシー。
「祇園もいいです。舞妓さん見たいです。」
とゲルトルーデ。
「腹ごなしに山登ろうよ、比叡山! 眺めいいよ〜。」
とサクラ。
「サクラは朝食バイキングあんだけ食べるから! わたしたちはダイエット中で、できればあまりきつい運動は避けたいのよ。もうふらふらするくらいなの。」
キャシーがめまいに襲われる素振りをした。今朝もミルクを一杯飲んだだけだった。
「じゃぁいいわ。まずは御所行って、で、祇園。祇園に美味しいうどんやさんがあるはずだし、その後は八坂神社と清水寺。参道に美味しい和カフェが並んでるって噂だよ〜!」
サクラが妥協するふりをしてまたグルメコースにしてしまった。
「もぉ食べるの禁止! サクラこれ以上太ったらDGスーツ着れなくなるわよ!」
キャシーが言った。
「あら? わたし太った? 気がつかなかった。」
サクラは動じない。確かにあれだけ食べている割には、太った感じは確かにしない。
「ともかく行きましょうよ。」
とゲルトルーデ。「いつTFPが出るかわかんないし。」
確かに。
サクラもキャシーも黙り込み、御所まで再現された平城京の朱雀大路を歩いていった。
御所は内裏、すなわち帝が生活し政治を執った場所のこと。本来なら、都の中央、朱雀大路を真っ直ぐ進んだところなのだが、実際の御所はそこからずっと東にずれている。内裏が数度、焼失したそうで、予備の内裏である里内裏のうちの一つが現在の御所なのだという。
そもそも御所は震災前は宮内庁管轄だったが、古都再生特別法施行を機に、他の皇室ゆかりの物件と併せて古都州に総括移管され、もう三〇〇年以上経っている。
再現された朱雀大路は、道幅が一〇〇メートル近く、両脇に柳の並木が並んでいた。牛車型のバスが左側通行でゆっくりと動いているほかは、基本、たくさんの人々がぞろぞろと歩いている。時代装束を身につけた俳優や明らかに観光客、入り乱れてまるで歩行者天国のよう。
【そもそも当初の平安京の区画は、度重なる戦乱で焼失し、古都再生特別法以前の京都の町とは全く異なっています。再現された区画は、可能な限り当時を再現していますが、完全に一致はしていません。】
と、QRの説明。
【又、平安京内は本来、自由に物を売り買いできる市は東西に各一カ所だけでしたが、長い年月の間に行商や、商人町が生まれました。現在は観光客の利便を考慮し、行商及び商人町式の飲食提供ゾーンが各所に設けてあります。】
「え? どこどこ?」
髪を一房まとめているQRを問いつめると、QRはぱらりと展開、ピンク枠のDWにショップマップと取扱食品のデータを表示した。
「平安京なのにSSCもMAXもあるよ! 平安朝風MAXバーガー!」
サクラのテンションが一気に上がった。「ね、ね、行こ行こ! 生八つ橋シェイクとかニシンそばバーガーとかあるんじゃない? 棒鱈フライサンドとかも!」
「食べるのは後! 全然見学してないじゃない!」
キャシーが横から強制的にピンクDWを消した。
御所へ行く前に、再現された平安京の当初の内裏、太極殿、紫宸殿など絢爛豪華な再現施設を見学し、二条城も一周、そこから東に進んでキャシーお勧めの御所へ。
御所は、再現内裏やホテルの上の公家屋敷と異なり、もっと重厚な造りになっていた。
【御所は南北朝以降、帝の住まい兼執政施設として使われてきましたが、建築様式は寝殿造りからより簡素で骨太な武家造りに移行しています。武家勢力の伸張を示すほか、平安時代よりも気候が寒冷化した結果、通気性より断熱性を重視するようになったことも要因と考えられます。】
確かに、寝殿造りに基本的に似ているが、筒抜け感は薄く、一般的な和風家屋という印象だった。
【京都はこれまで、多くの歴史的な戦乱で焼失した過去を持っていますが、第二次大戦も尖閣諸島海戦もほぼ被害はありませんでした。一番最近の戦災は、一九世紀の幕末、幕府軍と長州軍との戦闘・蛤御門の変となります。】
御所からさらに東へ。
平城京の東の境界・鴨川を渡り、京都中央随一の繁華街・祇園の華やかな街並みと舞妓さん(ただし俳優。)の艶やかな衣装に見とれながら、悪霊封じの八坂神社へと進んだ。
八坂神社の祭神は素戔嗚。
本来は、牛頭天王という古代印度の神、七世紀に朝鮮半島から伝来した仏教系の異形の神といわれている。
そんなQRの説明に、サクラはどきりとした。
そう言えば、仁斗田の南の岬にも祠があった。そして、牛頭は牛の頭と書くのだ。
【祇園祭は八坂神社の悪霊封じの祭りであり、山鉾が空の悪霊を追い立て、花笠で捕まえ、舞踏で地を這う悪霊を踏みつけ、そして疫病の総元締めであるところの素戔嗚・牛頭天王の霊力でこれを鎮める……】
胸騒ぎを隠しつつ、そのまま次の清水寺に足を伸ばした。
この寺は、東北に攻め入った征夷大将軍・坂上田村麻呂が深く関わった寺で、境内に蝦夷の英雄・阿弖流為と母礼の碑があった。
五〇〇年ほど前に建てられた新しいもので、坂上田村麻呂の時代から一二〇〇年以上も後に建てられた計算である。
石造りの壇の上に埋め込まれた大きな石の正面が、東北の形に彫り込まれ、その平らな面に碑文が彫り込まれている。
「田代島、無いね。」
サクラが小さくつぶやいた。
見れば、彫り込まれた東北の形には、牡鹿半島がかろうじてその下端に見えたが、金華山も網地島も田代島も見えない。
【この顕彰碑は、一九九四年、平安遷都一二〇〇年を記念して建設され……。】
「東北州と古都州は戦争してたのですか?」
ゲルトルーデがQRの説明を聞きかじり、目を丸くした。
「一七〇〇年前の話よ。東北州は、古都州にあった中央政権の言うことを聞かない、つまり、税金を払うとか拒否って、何十年もの間戦ってたの。」
キャシーが東北出身のサクラに代わって説明した。「アテルイとかモレはその時の東北州のリーダーたち。」
サクラは二人が会話している間、じっと碑を見つめていた。
碑の石の表面を、小さなRATたちが走っているのだ。何かを伝えようと、石の表面を走っているようにも思えた。
「アテルイは、長引く戦争を終わらせ、東北州を守るために中央政権に投降したのね。坂上田村麻呂が殺さないからって約束したから。でも、強い敵将を前に臆病風に吹かれた中央の役人たちは、田村麻呂の止めるのも聞かないで、二人を殺しちゃったそうよ。鋸で首を切って。」
「ひどい……。」
ゲルトルーデが顔色を変えて肩をすくめた。
サクラはそんな二人の会話も耳に入らなかった。
サクラの見つめる前で、RATたちは碑の右端、東北の形の彫り込みの太平洋部分、自然石の表面を残したその部分から随分はみ出した宙空で渦を作って見せた。
その場所は、サクラも知っていた。
GDEDの眠る、まさにその場所だ。
東北は、一七〇〇年前に中央政権に攻められその民族の自主性を奪われ、五〇〇年前の震災では豊かな生活の糧でもあった海に襲われ、そしてまた三〇〇年後、再び海の底で目覚めた怪物に蹂躙されるというのだろうか?
昨夜会った牛頭の若公達の言葉がサクラを貫く。
アラタメテトウ
クニツカミナレドモ
オノゴロヘノニエヲソコナウハ
イカナルユエアッテカ?
意味がわからないが、川開きの夜のことも思い出される。
ナカマナノニ
ナゼドウシテ
ジャマスルノ
泣きながら母にすがりついたあの夜。あの時の母の言葉が、なぜか思い出せない。
何と言っただろう?
……ずっとこっち側に……もう二度と、耳を……駄目……
一体、国津神とは、何なのだろう?
どうしても気になり、QCOM純正検索サービス・QLOOKUPでキーワード検索した。
日本神話における神の種類。
天照大御神、伊弉諾尊及び伊弉冉尊ら天津神と対となるカテゴリー。
本来は天津神であるがのちに追放された素戔嗚の子孫、あるいは息子であるところの、大国主ら出雲族等を含む、葦原中国土着の神々。
天照大神にたとえられるヤマト王権に吸収された先住民族の痕跡との説がある一方、ヤマト王権も出雲政権もともに渡来民族とする説もあり、天津神を後に天皇家につながるヤマト政権(勝者側の渡来民族)、国津神を日本先住民族又は敗者側の渡来民族とする複雑な関係も概観される。
素戔嗚、つまり牛頭天王の末裔・出雲族の神々。土着神あるいは蕃神。
「ねぇサクラ聞いてる?」
キャシーが黙りこくってピンクDWを覗き込んでいるサクラの肩を掴んで揺すった。
「え、あぁ、もうごはん?」
サクラはあわててピンクDWを閉じ、素っ頓狂な答えを返した。
「もーさっき食べたばかりじゃない!」
サクラは今朝の宣言の通り、八坂神社に行く前、祇園でおいしいうどんを食べたばかりだった。
翌日はホテルを引き払い、関西MLで奈良へ。
奈良から東海TUBEに乗り換える前に、皆各個に、東大寺、興福寺、春日大社、再現平城京、法隆寺、再現藤原京、明日香路の中から見学場所を選択し、自主研修することになっている。
最終的な集合時間は、関西ML・奈良駅に午後三時。
【サクラ、RATは走らない?】
関西ML・奈良TUBE駅で降りず関西ML・奈良駅へ向かう牛車型『都路快速』車中のサクラに、しずえが同報QWで呼びかけてきた。
「うん……まだ。」
正確には、等身大の牛頭天王とは会った。しかしサクラは言い出せなかった。
【巨人の尾、変わらず古都州奈良圏に赤六角。新たに黄六角が国後島近辺に出た以外、状況変わらずです。】
昨日とは打って変わって、もとの銀髪短髪のボーイッシュなナスターシャが状況を報告した。
【新伊丹組は休養ばっちり整備給油完璧。いつでも出られるよ。】
と本郷。
「今日の自主研修は藤原京と明日香路にします。ここが赤六角に一番近いです。」
とキャシー。
【明日香に入った頃には、上空待機する。】
と本郷。
キャシーはしばらくぶりに見た気のする本郷の顔に無精髭を認め、胸が締め付けられるのを覚えた。新伊丹のTADで髭もそらずに二晩、待機していたのだ。自分たちがホテルに泊まり、快適に修学旅行を満喫している間、まんじりともせず、いつ発現するかも知れないTFPを待っていたのだ。
「ありがとう。」
ふいにキャシーの口から出た言葉。本郷はそんなキャシーの気持ちに気づくこともなく、任せとけと親指を立てて見せただけだった。
関西ML・奈良駅で解散、一番最寄りの東大寺・興福寺・春日大社組が大多数で、サクラたち三人だけ、連絡通路で近鉄MLに乗り換え、奈良市・再現平城京の地下をくぐるように大和西大寺駅へ。さらに橿原神宮前行きに乗り換えた。
近鉄MLのこの線は地下化されていない。関西ML同様、電磁レールは宙空に浮かんだ浮動式単軌で、こちらは牛車型車両ではなく、車体外装が全面光学迷彩となっていて、宙空を進む姿は誰の目にもつかないよう配慮されている。
安全面から、わずかに航空機準拠の外部灯火が装備されているので、夜には低空を小型航空機が連なり飛んでいるように見える。
唐招提寺、薬師寺を空から眺めつつ南下、郡山城とその再現城下町を過ぎると、金魚養殖池が点在する広大な農地に入る。
かつては大小様々な企業が埋め尽くしていた広大な工業地域は、電力飢饉を経て一度荒廃したが、RNA・新農業革命と古都再生特別法を契機に、今や関西随一の穀倉地帯となっている。
この大和路の穀倉地帯化は日本政府が主導したといい、古の王権が三宅と呼び直轄管理運営していた屯倉が約二千年の時を経て復活したようなものだと、QRが説明していた。
実際、この周辺には紀元前一世紀頃から大化の改新まで三宅が経営されていたと伝えられ、地名にも残っていた。
稲田の収穫は東北州よりも遅いようで、未だに稲穂で満たされた金色の野を近鉄MLは音もなく進み、やがて橿原市へ。
交通の要所として発展した奈良圏随一の大都市だが、一方で七世紀末の中央政権の都で、史上最大かつ史上初唐風の条坊制により造成された藤原京を始めとする多数の文化遺産も目白押しで、古都再生特別法により地上部分に歴史遺産及びその再現施設以外の建造物は無くなっている。
ここでやっと近鉄MLは地下に入る。
地下都市・橿原市をそのまま通り抜け、橿原神宮前駅で明日香路周遊ラインに乗り換えなければならない。最初に明日香路を研修し、帰り足で再現藤原京に寄る予定だった。
「まだRATは走らない?」
明日香路周遊ラインに乗り継ぐ待ち時間、キャシーがサクラに聞いた。
橿原神宮前駅の名は、再現藤原京の西にある畝傍山の南麓、六〇〇年以上前にこの地に明治政府が創建した神武天皇を祀る神宮に由来する。
古都再生特別法の附則第三六『近代以降に成立した自然人を祀る宗教遺産はこれを記録化し地下へ移設する。』により、明治政府が創建し初代天皇を祀った宗教施設・橿原神宮は記録化され地上に現存していない。
神武天皇が神か自然人であるかの論争がなされ、最終的に神武天皇が架空の神であることを認めなかった宮内庁の最終回答を以って、橿原神宮の記録化・地下移設が決定した。今は宗教法人としての橿原神宮は地下化され、畝傍山北麓に神武天皇陵が保存されているのみである。
「え、う、うん……。まだわからない。」
サクラは心ここにあらずな風に答えた。
しずえの同報QW以降、口数が少なくなっていた。あれ以来何も食べないので、キャシーは心配になっていた。
もうすでに本郷の熊さんは頭上遙か高空を周回して、その時をじっと待っているはずだ。
本当に大丈夫なのだろうか? キャシーはいつになく不安を感じた。
一昨日の夜のことも、まだ気になる。
布団の中、ふざけてぎゅっと抱きしめたその体は、サクラの温かく柔らかな体だった。
それで少しは安心はしたものの、あの時に見たあの赤く光る耳と碧にらんと燃えた瞳は、この世のモノとは思えないものだった。
キャシーは小さく首を振り、目を閉じた。
サクラはサクラ。もう考えないことにしよう。
そう心に決めた。
明日香路周遊ラインは、橿原神宮前駅から出発する自律移動客車で、小さな椅子が四角い低い台車の上に並んでいるだけのものだった。覆いは無いが、雨天時には量子隔壁の原理を用いた傘フィールドが展開するらしい。
ゲルトルーデの車椅子を空いた席にうまいことはめ込み、三人並んでシートに座って待っていると、三人の他に年輩の観光客を数組乗せた後、決まった時間にAMPはゆっくり動き始めた。
【明日香の地には、六世紀末、日本という国が形を成し始めた時代の様々な文化遺産が残されています。】
QRの自動説明が始まった。
「六世紀末! 一八〇〇年も前にここから日本が始まったの?」
キャシーが感心した風に言った。
しかし唯一の日本人のサクラと言えば、祖国の成り立ちなど我関せずという様子で、秋の明日香路の風景をただぼんやりと眺めるだけ。
確かに、秋の明日香路はぼんやり眺めるには良い景色ではある。
AMPは、舗装を剥がされた土の道・山田道を東に進み、緩い丘陵を上り下りし飛鳥川河畔へ至り、推古天皇の宮・再現された豊浦宮を南に見ながら、甘樫丘へ。
南北に延びた丘陵の北嶺へ九十九折りの専用道を上ると、明日香路から再現藤原京を一望できる展望台に至る。
「うわぁ凄い!」
ゲルトルーデが思わず歓声を上げた。
再現藤原京が見渡す限り視界一杯に広がっている。
日本で初めて造成された唐風条坊制の都市。規則正しく区画割されたその街並みは、再現平安京のような各時代の継ぎ接ぎではなく、完全に当時の都を再現したもので、その整斉さは見る者を驚嘆させるに余りあるものがあった。
その中央には帝が政治を執り行った藤原宮。宮の北には耳成山の優美な緑の稜線。東には南から連なる山並み・天香具山。そして西にはそれほど大きくないが、砕ける荒波を思わせる豪壮な稜線の畝傍山。自然の山々を取り込み広がるその都市の姿は、息を呑む美しさだった。
「きれい!」
キャシーも歓声を上げ、黙り込んでいたサクラさえも目を見張った。
世界一美しい都市景観と言って良いかも知れない。
【北に広がる藤原京、正式には新益京は、八世紀始めに遷都が完了し、一六年間、三代の天皇がこの地で政治を執っていました。】
「え〜! たったそれだけ? もったいない!」
サクラもQRの自動説明に変な感想を述べた。
「本当だねー。」
キャシーはサクラが少し元気になったのを感じ、ほっとした。
甘樫丘から東に目を転じると、蘇我馬子の氏寺である日本最古の仏教寺院・飛鳥寺、その南には藤原宮以前の古い形式の宮である飛鳥板蓋宮の再現施設が広がっている。
さらにここからは見えないが、東の丘には酒船石や亀形石造物、斉明天皇の再現高殿があるとの説明があった。
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