表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世の俺は攻略キャラだったらしい  作者: 弥生 桜香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/260

幕間・????

 少女は水鏡を見ていた。

 それはこの世界では決して扱われないモノ。


「今回俺たちの出番はなさそうか?」


 そっと温かなココアの入ったコップを差し出す青年に少女は小さく首を振った。


「分からないわ。」

「そうか…。」


 少女の言葉に青年は自分用に用意したコーヒーに口をつける。


「私たち人間はいつだって予想外の事を起こす。」

「そうだな。」

「でも、二度見た未来にならないようにはしたはずだけど……。」


 少女は二つの未来を思い出し、小さく溜息を零す。


「ねぇ……。」


 少女は憂いの顔を見せて、青年を見つめる。


「私はまだ人の心を持っているかしら?」


 何度も、何度も、何年も、何十年も、何百年も、何千年も、少女たちは生きている、だから、少女は不安になる、自分は人の心を忘れていないか。

 人を大切にする気持ちを忘れていないか、それを少女は不安に思う。

 そして、少女のそんな不安を払拭させるかのように青年は蕩けるような笑みを彼女に向ける。


「大丈夫、シャール、お前は何も変わっていない。」


 始まりの人格の名を呼ばれ、少女はハッとなり、愛おしそうに青年を見つめる。


「ありがとう、ロイ。」


 この役目は来年の四月までには決まる。


 それまでに、何もなければいい。


 そうすれば、傷つく人もいない。


 今、この時、この時代に生きている人たちの意思を尊重したい。


 だから、少女は願う。何も起きない事を。


 自分たちが干渉しない事をーー。


 歯車は動き出した。


 動き出した歯車が何を生み出すのか、少女たちは知らない。


 ただ、少女たちは望まぬ世界の終わりに行かないために、ここに居るのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ