期末勉強
「……………………。」
「……。」
「……………冬牙さん。」
「何だ。」
いい加減無視が出来なくなった和希は半眼で冬牙を見る。
「何で私の部屋に貴方が居るんですか。」
「駄目か?」
「……可笑しくありませんか?」
「質問を質問で返すな。」
「……。」
冬牙の言葉に和希はシャーペンを置く。
「元は冬牙さんの持ち部屋なので、私が駄目というのは少しおかしいと思いますので、そこは置いておくとしても。」
和希は椅子を動かし、真正面から冬牙を見る。
「何で年頃の娘の部屋に貴方がいるのですか?」
「暇だから。」
「……以前の貴方でしたら、自室に引っ込んでいましたよね?」
「そうか?」
「そうです。」
「……。」
「……。」
和希は一体冬牙が何をしたいのか分からなかったが、どうやら、彼自身も分からないのだと何となく理解した。
「お茶にしようと思うんですけど、冬牙さんも何か飲まれますか?」
「ああ。」
椅子から立ち上がれば、まるで、何かの雛のように冬牙がついてくるので、和希は複雑そうな顔をしていた。




