表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世の俺は攻略キャラだったらしい  作者: 弥生 桜香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/260

桂子の父

「………。」

「……お父さん…。」


 門扉の前で仁王立ちしている桂子の父に和希は苦笑し、桂子は額に手を当てる。


「おお。」

「お久しぶりです、桂子ちゃんのお父さん。」

「ああ、久しぶりだな、和希ちゃん。」


 優しい表情の桂子の父は冬牙を見た瞬間殺気立つ。


「桂子、この男は。」

「……。」

「あの、桂子ちゃんのお父さん、この人は私の――。」

「――っ!この優男がっ!」


 和希が言おうとした瞬間、桂子の父は冬牙を殴りにかかる。


「えっ!」


 和希は反射的に冬牙を守る為に彼らの間に立つ。


「和希ちゃん、どくんだ。」

「駄目です、どいたら殴りますよね?」

「……。」


 黙り込む桂子の父に和希は顔を引きつらせる。


「この人は私のお母さんの友達の近所に住んでいた人です。」

「……つまり赤の他人じゃないか。」

「そうですね。」


 口に出した時、和希は自分と冬牙の関係がかなり薄っぺらく感じて、何とも言えない顔をした。


「何でそんな奴が。」

「私を心配して送ってくれるんです。」

「……こんな男に君を守れるのか?」

「大丈夫ですよ。」

「……。」


 桂子の父の鋭い目を受け和希は胸を張る。


「…おい、そこの若造、和希ちゃんに傷一つ負わせたら殺すからな。」

「……。」

「おい、小僧聞いているのかっ!」


 桂子の父を無視する冬牙に和希は顔を引きつらせる。


「あの、時間も遅くなりますし、私たちはこの辺で。」

「……うむ…。」


 どこか渋る桂子の父に和希は冬牙の手を取る。


「それじゃ、桂子ちゃんのお父さん、桂子ちゃん、またね。」

「ええ、また。」

「うむ…いや、送って。」

「いえ、大丈夫ですから。」


 和希は桂子の父の誘いを断り、冬牙の手を引いて帰路につく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ