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覚める
それはまるで気泡が弾けるように唐突に現実に戻されるような感覚だった。
「あ…。」
思わず声を漏らす和希に少女は心配そうな顔で彼女を見つめる。
「えっと、本当にこれで、全部かな?」
誤魔化すように笑う和希に少女はジッとの除を見つめたままだったが…。
「おい、電車が来るぞ。」
「あっ、はい、ごめんなさい、私行かないと。」
「あ、ありがとうございます。」
「すまない。」
和希は少女に本を押し付けるように渡すとそのまま、冬牙の横まで行く。
「お前何してるんだ。」
「気づいたから動いただけよ。」
「……。」
溜息を零す冬牙に和希は肩を竦める。
「本当に似てねぇのに、似てんだな。」
呟かれた言葉に和希が横を見れば先ほど見た白昼夢の冬牙がそこにいた。
警鐘が、和希の中で鳴り響く。
だけど、それは手遅れだった。
それを、和希はうすうす気づいているはずなのに、決して彼女は認めようとしなかった。




