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バンドやろうぜ ⑧


 どういう経緯だったか今では定かではない

 とにかく私のバンドは

 某オタク系イベントに出場することになった


 知る人ぞ知る熱き大型イベント

 某大型掲示板でも話題となり

 管理人も「それってあなたの感想ですよね」

 とコメントしてきそうな勢いだ


 残念ながらカルロスは母国に里帰りするので出演できない

 そこで宣伝を兼ねてその掲示板でベーシスト募集すると

 掲示板を荒らしまわっていた有名なコテハンが応募してきた

 話題性の為にあえて採用


 裏話をすると、こいつAくんと同じ某音楽学校の生徒なのだ

 私は前もってその情報を入手していた


 私に楽曲提供をしてくれた方もいた

 私はその掲示板に相応しい歌詞を書き

 そのイベントの演奏曲に加えた

 とにかく話題性を得ることに躊躇しない



 イベントを盛り上げるためにッ!



◇◇◇



 実は某地方紙、ぶっちゃけると神戸新聞の一面に

 バンドが写真付きで大きく取り上げられたことがある

 その理由はいったん置いといて

 集客には全くつながらなかった


 ニコニコで私の動画に課金というか応援してくれた人もいた

 嬉しいし感謝しかないが、アクセス数に対する効果はそうでもない

 ただもう一度言うが、応援してくれた人には感謝しかない


 私の音源を無断使用してYouTubeやニコニコに投稿している人もいた

 その内の何件かは、まさかの万越えアクセス数

 貴様ら……


 でも許す♡

 立場上許可は出せないけど

 万単位の視聴者が楽しんでくれて嬉しい♡


 宣伝は効果的に行わなければならない

 当たり前だが「効果的」の重さは想像以上である

 テレビやラジオの番組に出たからと言ってお客さんが殺到するような

 そんな時代ではないのだ


 ネット荒らしのベーシストは意外なほど真っ当なベースを弾いた

 クリフ・バートンのようなベースを弾くカルロスよりも

 むしろ当時の私に近い調和に徹したベースの演奏

 脂がのりまくっていたBくんのギターが引き立つ


 さすが○○音楽学院

 バークリーと提携してるだけのことはあるな


 特筆すべきはSのドラム

 彼らに負けない、いや牽引するような疾走感

 それでいて全てが信頼できる安定感

 パーフェクトだ ウォルター

 「感謝の極み」


 自分の、そして仲間の

 人生と夢がかかった戦場 (ライブ) に

 最高の布陣で挑める高揚感

 もはや笑顔など浮かばない

 ただマイクで絶叫するのみ



◇◇◇



 さて、Tくんなのだが

 彼は決して悪いドラマーではない

 練習もしてきたし、それなりに経験もしてきた


 だが、現状の化け物じみたバンドメンバーの中では

 数段見劣りしてしまうのも事実だった

 逆の方向に異世界転移状態である

 もちろんチート能力はない

 むしろ周りが全員チートである


 このイベントに出演が決まったとき

 誰より喜んだのがTくんだった

 このバンドを長く支えてくれたのも

 もちろんTくんである


 私は彼を切り捨てるつもりはなかった

 Sも虚栄心とは無縁の人格なので

 簡単な曲はTくん

 高難度な曲はS

 と分けて出演してもらうつもりだった


 スタジオでSが高難度曲のドラムを叩く

 それを脇で見ていたTが口をだした



「う~ん、リズムがヨレヨレっすね」



 スタジオ内にいる全メンバーの頭にクエスチョン

 いや、むしろTくんが一番よれてるんだけど……



「いやぁ、このレベルでライブまでに間に合うかな」



 再び頭にクエスチョン

 いや、むしろTくんのレベルがアレだけど……

 まあ先任の功労者だしと許されている感じなのだが……


 その日のスタジオ練習が終わった

 私は内心ハラハラしていた


 正直私はバンドの維持が最優先で

 クオリティは二の次だ

 そのためならどんな屈辱にも耐えてきたし

 そのためならどこまでも冷徹になれる


 スタジオの休憩所

 全メンバーが無言だった

 私もなにをどう口にすればわからない

 空気を読んだか、Tくんが先に帰った


 私はオズオズとSの顔を見た

 驚いたことに何も考えてない顔だった

 Sは私の視線に気づいて声をかけてきた



「帰りなんか食いに行く?」


「あ……あの……さっきのこと……」


「さっき?」


「Tくんの……」



 Sは思い出したような顔で頷き

 ふふと鼻で笑った



「なんか言うとったな、あんま聞いてへんかった」



 さっきまで我慢していたであろう

 Bくんが喋り出した



「なんか知らんけどクソダサいっすね」



 そして某掲示板の荒らしも口を出す



「うぇwwwっうぇうぇwww」


「……つうか空気読め」


「今北産業、詳細キボンヌ」


「……まあ、色々ありましてよ、というわけで【終了】」


「【再開】」


「勝手に再開するな!まあ、あとはお任せあれ、ホーホホホ!」



 この状況だと

 ぶっちゃけTくんをクビにしても困ることは無い

 バンド的にはトラブル回避できて継続に支障をきたさず

 むしろクオリティが上がる


 だが、ゲーセンでの日々が頭をよぎった

 ろくな事しないバカだったが

 かわいいやつじゃないか

 家族のいない私の、弟のような……


 彼を説得し、反省させた後に復帰させることは簡単だ

 私はあのゲーセンでノウハウを得た


 反社のロジック

 人を操る方法を……



◇◇◇



 翌日、Tくんからメールが来た

 ライブへの意気込みが書かれていた



 ……予想通り



 これは「探り」だ

 うっかり滑らした言葉に

 周囲がどれだけ怒っているかを知りたいのだ

 そしてこのメールは私にしか送られていないはず

 他メンバーには怖くて送れないはずだ



 ……ここで私がとるべき行動は「無視」



 中途半端に間を置いて再びメールが来た

 今度は次のスタジオの予定を聞いている

 必要な機材の質問も書いていた


 これはTくんが自分の不安を打ち消すためのメール

 これなら私が必ず返信する

 その文言から状況が探れるはず

 そう考えたのだろう

 甘い甘い、ぼうや、甘いんだよ

 Tよ、ゲーセンでの日々を思い出せ



……「無視」



 「みんな、怒ってますかね?」

 新たに送信されたメールには、そう書かれていた

 思い出したか、ゲーセンでの日々を

 まずは察する、話はここからだ


 ここで私が説教すれば話は終わるのだが

 彼にはあと少し成長してもらいたい

 だから、あえて茶番を放棄し次のメールを待つ

 気付いて欲しいのだ


 別にTくんがいなくてもバンドは困らないという現実に



……Tくんから長文のメールが届く


 

 謝っていた

 謝っていた

 とにかく、謝っていた

 余計なことを言ったこと

 ホントはSが上手すぎて嫉妬していたこと



……この時点で私の不安は消えた

  だが同時に冷たい計算も浮かぶ


  このまま彼をクビにするのも悪くない

  彼自身も納得するだろうし

  他メンバーも文句は言うまい

  むしろバンドのクオリティも上がる……



「でもぼくはライブに出たいです

        ○○のイベントに出たいです」













 霊感とは何か

 私は感受性だと答える

 例えば殺人現場に残された血の手形

 そこに人の……

 魂の痕跡を感じないか?


 廃墟の家屋のカレンダー

 それが十数年前の月日で放置されているのを見たとき

 鳥肌が立たないか?

 そこに人の、人生の、痕跡を感じるからだ



 「ライブに出なくていいので

  次のスタジオでみんなに謝罪させて下さい」



 そうメールに書かれてあれば、私は見限っていただろう

 そのまま無視してもいいし

 今後の関係性を考慮して謝罪させてもいい


 だがTくんは、それでもライブに出たいと懇願したのだ


 状況を察することが出来た

 反省することもできた

 その上で

 「ライブに出たい」

 と自分の意思を見せたのだ



「言い張ること、そしてそれを貫く意思を見せること」



 Tくんは、合格した


 私の琴線に触れたのだ

 私の霊感 (インスピレーション) を刺激したのだ



 私はその場でTくんに電話

 そして全メンバーにも連絡を入れた



◇◇◇



「つまらないこと言ってしまい、すいませんでした!」



 スタジオでびしっと両手を揃え

 頭を下げるTくん

 それはゲーセンの店長に鍛えられた姿勢そのものだった



「そんなんええからスネアのチューニング教えてくれや」



 ドラムの調整方法をTくんに聞くS

 ふふふ、凝り性のSがチューニングなんて知らないはずはない

 不愛想に見えて優しいS

 オバケの話するとガチギレする怖がりとは思えない大人な対応

 (マジです)



「ま、みんな仲良く、ということっすね」



 余計なことを言わないBくん

 それもそのはず昨夜のうちに

 絶対いらんこと言うなよ、と

 念入りに言って聞かせたからだ

 念入りに、ね。



「みwなwぎwっwてwきwたwww」



 某掲示板の荒らしくんにとっては

 元よりどうでもいい話


 さあ、ライブは近い、練習再開だ!


今回の話は過去のエピソードの中でも

一番嘘っぽいというか

出来過ぎた青春ドラマみたいになっています


ですが、実際は98%くらい実話そのまんまです

捏造したのは某掲示板荒らしコテハンのベーシストのセリフだけです


◇◇◇


それはともかく

話が終盤に向かいますので

よければ皆様に予習して頂きたいことがあるのです


終盤をより楽しんで頂くための提案です


https://www.youtube.com/watch?v=gUL7B-26pNg

天罰!エンジェルラビィ

歌:桃井はるこ (UNDER17)


エロゲーではありません

健全な萌えゲーの主題歌です

なおゲームの面白さは……ま、まあいいじゃないですか

良い音質がお望みならこちらのバージョンをお聞きください


https://www.youtube.com/watch?v=T7NEmClitdY


◇◇◇


そしてもう一曲


https://www.youtube.com/watch?v=-cssb3A_oXg

いちごGO!GO!

歌:桃井はるこ (UNDER17)


時代を象徴する「電波ソング」として傑作と言えるこの曲ですが

アニメーションにも注目して頂きたい

「ぽよよん♥ろっく」つまり「渡辺明夫」

「化物語」シリーズのキャラクターデザインでも名を馳せる

異論の余地なき日本を代表する神絵師であらせられます

……いやまあ、私の話とは関係ないんだけどさ

大フアンなもので、つい……

それを言うと桃井はるこさまも神ですけど……


◇◇◇


ま、まあそんな話はともかく

「天罰!エンジェルラビィ」

「いちごGO!GO!」

の2曲は聞きましたか?


あと、メタル系を聞き込んでいて

さらに私や爺や (執事) の声に嫌悪感を示さないことを心から願います


生理的に受け付けないなら、それは仕方ないです

無理はなさらないでください


なんでこんなことお願いしてるかって言うと

もうすぐ始まるイベント……ライブの話で

あの会場での熱気を

狂乱を

興奮を

「なろう」の「エッセイ」で表現したいからです


◇◇◇


まとめますね

・「天罰!エンジェルラビィ」の曲を聞いた

・「いちごGO!GO!」の曲を聞いた

・黒い安息日と爺や (執事) の声に嫌悪感がない

・ヘヴィメタルが好き

・このエッセイを最初から全話読んだ


こういう方に最大威力を持って刺さるよう

前代未聞のエッセイに挑みます


私は……

私が……


一番面白いと思ったことに全力を注ぐんじゃあああ!


超ご期待あれッッッ!ホーホホホ!


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