38 謎の場所
──怖かった。何も見えない中、どこかへ連れ去れていく感覚が。
連れて行かれた場所というのは、暗闇の中存在する豪邸のようだった。周囲は森林に囲まれていて、ただそこだけ豪邸が佇んでいるという感じだった。月光によって浴びる豪邸の中に、私は周りの大人たちに腕を掴まれながら入っていく。
長い廊下を歩き、エレベーターを使って地下三階まで。エレベーターの扉が開くと、そこには丸眼鏡を付けた、白衣の男性が立っていた。相当年齢を重ねていたのか、重ねていないのか分からないけど、その男性の髪は白く中途半端に染まっていたし、薄くなっていた。
私はその男性に「こっちへ来てくれる?」と言われた。
その通りに動いた。
彼の後ろを歩く。
何にも変わりのない長い廊下を歩く。無機質な廊下を歩いていると、目的の部屋に到着したのか、前の男性が止まる。私もその後ろに止まった。
「着いたよ」
優しい口調でそう言うと、男性はドアノブを捻って鉄の扉を開けた。その向こうの景色は色んな人達が白衣を身に纏い、忙しなく動いていた。私には到底分からないような機械が沢山置いてある中、真ん中にはポツリと椅子があった。
私は「その椅子に座りなさい」と先程の男性に言われ、指示通りに椅子に座った。何かを被された感覚があったけど、多分何かするんだろうと私は勘ぐった。
次の瞬間だった。
──あぁ……うぅ……あぁぁ……‼ うぅ……あぁぁ……。
強い電流みたいなものが頭の中に一気に流し込まれたのか、私は思い切り声を荒げた。喘ぎ声のような声が自分の口から出る中、必死に痛みに耐えた。
でないと、耐えれなくなって死んでしまう。そう思ったから。
その電流が一〇分ぐらい流れたのか、近くに居た男性が「止め!」と大声を出した。その声に合わせて周囲の人達が動き、私に流れていた電流が次第に消えていく。痛みも同時になくなっていき、一体何だったのだろうと──その時一瞬思った。
が、次第に意識が遠のく感覚を覚えた。
フラフラする。
眠気がする。
眠い。このまま寝てしまいたい。
私は瞼を閉じた。




