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36 マンホール?

 現場の公園を離れ、少し歩いた先になつの言う目的地に辿り着く。その場所はよくある街中の風景だった。絶え間なく道路を車が走っている中、彼らはその横の歩道に居り、地面に埋められているマンホールを囲むようにしていた。


 「……なんでマンホールなんですか?」


 と夕海が不思議に思いながら話す。いかにも泥棒が使いそうなバールを使って──そもそも、それをどこから手に入れたのかなつ以外の三人に検討する余地がなかったが──、なつは錆び付いた年季のあるマンホールを開ける。「よいしょ」という、彼女らしくない声がその下の地下水道に響き渡った。


 「この下に何があるんです?」

 覗き込むように波岩が訊ねる。


 「ある科学者とその仲間たちが住んでいるんだ」


 と端的に述べると、なつは地下水道に繋がる梯子に掴まって降り始める。その様子を見て、波岩や刑事二人も彼女と同様に降り始める。


 二分経過した後、彼らが地下水道に降りると、一番先頭に立っていたなつがポケットから小型の懐中電灯を取り出して辺りを照らし始める。目の前のみだが、少し見やすくなったとなつの隣に居た波岩は感じた。


「この先にあの科学者がいるんですか?」

「ああ。……いけ好かない奴がな」


 声色を落としながら話すなつを見て、波岩はこれから誰に会いに行くのか少しだけだが想像が出来た。だが、その人物が、どうして羽賀野なつという人物に大きく関係しているのか、考えることが出来なかった。


「さて、行くぞ」


 一息ついた後、なつが大股で歩き始める。ピチャ、ピチャ、という水の音が地下水路の中に反響させる。彼女の後を波岩たちは追っていく。

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