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出会い 1

あてなどどこにもなかった。

衝動的な感情によるもの。あの家に居ることなんでできなかった。彼女の着ていた服も、彼女の使っていた化粧品も、コップも、歯ブラシも、二人で何十回もの夜を過ごしたベットも、一緒にテレビを見たソファーも、食卓を囲んだテーブルも、同じように、同じままで全部残っている。だけど永遠と鳴り止まない電話や書かなければいけない大量の書類、何よりこの1ヶ月いくら待っても彼女が家に帰ってこなかったという事実に耐えられなくなった。

あの黒い打楽器も、今では俺にとって、呪いのものでしかなかった。

今所持しているのは、家を飛び出した時にせめてもと握りしめた数万円だけ。これからどうやって過ごそうか。ホテルなんてとっていたら、数日で破綻だ。コンビニやファミレスを転々として暖をとりながら、ネットカフェで寝泊まりしようか。しかしそれでも限界はくる。せいぜい生活できて三週間だろう。


彼女が死んだあの日から、時間が止まったように感じる。きっともう、戻れない。一生、彼女は帰ってこない。そんな考えが頭を支配して離れない。

彼女を失くした今の自分はあまりにも無力だった。




寂しい




寂しい




寂しい





そんな時、ふとこんな考えが浮かんだ。







______俺も死んでしまえば、いいのだろうか。


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