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風の少女と呪いの絆8  作者: たき
1/18

(1)

前作から約2ヶ月になりますが、構成はできているものの執筆時間がなかなか取れず、まだ第4話までしか書けていません。8割がた書けたら……と言っていたらスタートが3月になりそうなので、ひとまず第4話までアップし、今後は3話か4話書くごとに投稿、という形を取りたいと思います。かなりスローペースで展開していきますが、よろしくお願いします。

 縄を解かれると同時に剣の柄で押しやられる。力なく倒れ込んだリリーの背後で格子戸の閉まる金属音が響いた。

「大事な心臓をお持ちのお方をこんな場所に閉じ込めて申し訳ないが、いずれみんなが敬いひれ伏すようになるから、それまでは辛抱してくれよな」

 ついでに妙な刺激のもとも解除してくれるとありがたいと嗤い、グラノが去っていく。

 一人になってからも、リリーは安堵の息すら吐けなかった。

 目にした光景が忘れられない。のどの痛みも忘れてほとばしらせた悲鳴は声の形では出ず、それがよけいに心をえぐった。

 後方にセピアがいたから、治療は間に合ったかもしれない。でも、もし即死だったら――手遅れだったら。

 昨日自分に向けてくれた熱のあるまなざしを永遠に失う怖さと悲しみに、リリーは震えた。

(どうして……)

 なぜこんなことになってしまったのか。

 自分がずっとオルトの気持ちに気づかなかったから?

 ソールを好きになったから?

 唇をかみしめる。盛り上がってきた涙がまばたきで落ちると、とまらなくなった。

(ソール……)

 自分のせいだ。すべて、自分が原因――。

 石床に触れた手をこぶしにかえ、リリーは言葉にできない慟哭の沼に深く沈んでいった。



 授業の始まりを告げる本鈴の音が学院のほうから流れてきても、五人は動けなかった。セピアは顔を覆ってむせび泣き、フォルマも両手を地につけて涙している。レオンとルテウスはただ呆然としたさまで立ちつくしていた。

「こんな……こんなことって」

 ひどい、とセピアがつぶやく。すっかり冷たくなったソールの額に置いていた手を下ろし、キルクルスはうなだれた。

 防げなかった。何度も『見た』光景だったのに。

 先に走りだしたソールをとめられなかった。むざむざと死なせてしまった。

「わ、た……が……もっと早く、言っていれば……」

 しゃくりあげながらセピアが言葉を絞り出す。

「グラノが何か怖いって知ってたのに……ちゃんとオルトに忠告していれば、オルトだって……」

 交際を断ったときのグラノの豹変についてつかえながら語ったセピアを、責める者はいなかった。単に振られた腹いせに脅すような嫌味を言っただけだとも受け取れる。まさかグラノがオルトを操って非道な行為に及ぶなど、セピアたちに想像できるはずがない。

 確かにグラノとはこれまで接触したことがなかった。ブレイの素性がばれてあちらもますます慎重になったのだろうが、オルトと近しい者を徹底的に調べなかった責任は自分にある。

 こちらへ越してきてすぐ矢を食らい死にかけたことで、下手に動いてはまずいと警戒しすぎた。オルトに対する嫌悪であまり親しくなろうとしなかったのも、好き嫌いにとらわれた己のいたらない点だ。

 これでは、何のために自分が来たのかわからない――悄然としかけ、キルクルスははっとした。

「みんな、玉はまだ持ってる?」

 キルクルスの問いかけに全員が顔を上げる。なぜ今それを、と言わんばかりの表情で彼らがポケットから取り出した玉を見て、キルクルスは安堵に笑った。

「大丈夫、まだ絆は切れていない。ソールを助けられる!」

 えっ、と皆が目をみはる。

「本当なの、キル?」

 いぶかしげなレオンにうなずく。

「僕がソールを連れ戻しに行ってくる。君たちはひとまずソールの体を学院にでも運んで待っていてくれ。みんなで抱えるのが無理なら先生の助けを借りて」

「連れ戻すって……おい、キル!?」

 ルテウスの呼びかけにかぶせて「頼んだよ」と告げ、キルクルスはぱっと駆け出した。最後に力強く地を蹴ると同時にハヤブサの姿に変化して飛び去るキルクルスを、残された四人は唖然と目で追った。

「……キルが、クルス……だったの?」

 動揺のあまり口をパクパクさせているセピアの肩に触れ、レオンが言った。

「ちょっと、いやかなりびっくりだけど、まずはソールを安全な場所へ移そう。フォルマ、ひとっ走りしてきて。腕力のない僕たちじゃきついから、大人に来てもらったほうがいい」

 フォルマが首肯してさっと身をひるがえす。その背中を見送り、レオンは横たわるソールのそばで片膝をついた。

「ソール、キルが君のもとへ向かったよ。だから絶対に帰ってきて。そして、みんなでリリーたちを救いに行こう」

 レオンの言葉に、セピアとルテウスもソールをのぞき込む。それから三人はフォルマが教官を連れて戻るまで、ずっとソールに声をかけ続けた。

 


 刺されたと理解したとき、自分の行き先を瞬時に悟った。

 キルクルスに制止されても、行かなければならないと振り切って体を抜け出すと、強い力に引っ張られて一気に上空へ昇った。

 どれだけ時間がかかったかわからない。ただ、雲間にそびえる大きな門を視認して、ああやはり自分は死んだのだと気づいた。

 以前『死者の日』で遠目に見たときの門はまばゆいほど虹色に輝いていたが、今日はほんのり色づく程度だ。その門扉は今、少し開いては閉じ、開いては閉じ、を繰り返している。どうやら死者に縁のある者が出迎えているらしく、自分のようにやってきた魂は導かれて扉の内側へ入っていっている。

 まもなくソールは、赤ん坊を抱いて門前に立つ一人の女性を見つけた。長い茶色の髪に黄赤色の瞳の、懐かしい顔。

「――母さん」

 降り立ったソールに、母は穏やかな笑みを浮かべた。

「ソール、大きくなったわね」

 ずいぶん背がのびて、と髪をなでられる。ひやりとした手の感触に、ソールは目を細めた。言いたいことはたくさんあるのに、何から話せばいいかわからない。

「お父さんにますます似てきて……これからもっともっとモテるわよ」

 楽しみね、と嬉しそうな母をソールはいぶかった。

(これから?)

 そんな状況にはならない。自分は――死んだのだから。

 とたん、胸が激しくうずいた。

 もう二度と父やペイア、みんなに……リリーに会うことはない。

 オルトの様子はおかしかった。察知するのが遅れたせいでこのざまだが、オルトを追いつめてしまったのはきっと自分だ。

 結局、リリーにも気持ちを伝えることはできなかった。

 何もかも手遅れだ。後悔に歯がみしたとき、赤ん坊が小さく泣いた。

 髪は父や自分と同じこげ茶色。目は閉じているのでわからない。

「……母さん、ごめん。俺が……」

 口にしかけた謝罪をソールは飲み込んだ。ずっと、母に会ったら告げたかったのに、弟を前にするとためらわれた。自分が望まなければと言葉にすれば、弟を否定することになる。あと少しで生まれるはずだったこの弟を。

 じっと赤ん坊を見つめるソールに、母は微笑した。

「あなたは本当に優しい子ね」

 母がゆらりゆらりと体を揺らしてあやすと、赤ん坊はまた静かになった。

「この子はね、あなたに遊んでもらいたくて私のお腹に来たの。自分をかわいがってくれるお兄ちゃんを探してて、あなたの希望に飛びついたそうよ。私が弱くて産んであげられなかったけれど……もう生まれ変わることは許されているのに、やっぱりあなたがいいからって待ってるの。あなたが結婚して子供を欲しがったら一番に行きたいんですって」

 お母さんになってくれる人もすでに見つけているのよと言われ、ソールは困惑した。

「生まれる先を自分で選べるのか」

「みんなではないわ。主神の御心を動かすほどの何かをした者へのご褒美といった感じかしら」

「でも、俺は死……」

「まだよ」と母はソールの返事をさえぎった。

「あなたを門の向こうへ案内するわけにはいかないの。あなたにはやるべきことがある」

 強い語調に気圧され、ソールは黙った。

 母は自分を迎え入れるために現れたのではないのか。

「あなただって未練があるでしょう? 大事な人たちをそのままにしていいの?」

 いいわけがない。おそらく連れ去られたリリーと、正気を失くしたオルトを助けに行かなければと思う。ただ――。

「母さんは、ここに一人でいて寂しくない?」

 自分たちから遠く離れたところで見守るだけなのは、つらくないだろうか。

「私にはこの子がいるわ。それに、あなたまでこんなに早くこちらに来てしまったら、お父さんとペイアはもっと悲しむわ」

 あなたは責任感が強いから重荷になるかもしれないけれど、と母はソールの頬をそっとなでた。

「あなたにお父さんとペイアのことを頼みたいの。あなたたち三人がいつも笑っている姿を、どうか私に見せてちょうだい」

 それが今の私の幸せよと言われると、ソールは反論できなくなった。

 本当にそんなことで贖罪になるのか。母は無理して自分を遠ざけようしているのではないのか。

「……母さんはまだ生まれ変わらないのか?」

「私は、お父さんが寿命を終えてここへ来るまで居座るつもりよ」

 当然とばかりに、屈託のない笑顔で母が言う。 

「その後で新しい人生の旅に向かうわ。だから、あなたが年を取ってもう一度訪ねてきたときには、私はもういないの。薄情な母でごめんなさいね」

 全然申し訳なさそうな口調に、ソールも吹き出した。

 母は昔からそうだった。自分やペイアにたっぷり愛情をそそぎながらも、父のことがまず第一だった。

 二人は友人の紹介で知り合ったと聞いている。二人とも、もともと参加するはずだった人が自己都合で欠席となり、店を予約していてもったいないからと数合わせで強引に引っ張られ、出会ったらしい。お互い恋愛には乗り気でなかったため、変に意識することなく話せたのがよかったようで、それから何度か四人で食事に行った。

 友達付き合いから恋人へと進展したきっかけは、最初に来る予定だった女の子に責められたことだという。彼女は父に気があり、仲を取り持ってくれとしつこく頼んでいたのだ。仕方なく仲介役の二人が場を用意したが、父が断り別の男性が来ると知った彼女が怒って約束を放棄し、それを耳にした男性側もあきれて行くのをやめてしまった。なので、結局父が来て母と親しくなったことに腹を立てた彼女が会食中に現れてさんざん母をなじり、父に冷たく追い払われたらしい。

 見た目でいえばはるかに彼女のほうが美人だったので納得できなかったのだろうと、母は苦笑していた。それでもあのとき父が自分を選んでくれたのが嬉しく、また異性として父に惹かれている自分の気持ちに気づいたのだと。

 結婚するまで、いや結婚してからも父に誘いをかける女性は多く、母は内心ではずいぶんやきもきしていたという。女性にそっけないのに不思議とモテるのよねと、父のいないところで肩をすくめていたのを覚えている。

 そのとき、下方から羽音が響いた。鳥がこちらを目指して飛んできている。

「迎えが来たわね」

 母の言葉に首をかしげたソールは、やってきたのが見覚えのあるハヤブサであることに目をみはった。

「クルス?」

 なぜここに。とまどうソールの脳裏に、これまた聞き覚えのある声が届いた。

『よかった。間に合った』

 実体のないはずの自分の肩にとまったクルスを、ソールは驚惑のあまりまじまじと見つめた。

 気のせいか。しかし、今の声は間違いなくハヤブサからしていた。

「お前、まさか……」

『そうだよ、僕だよ』

 ハヤブサがにやりと笑ったように見え、ソールは頭をかかえた。

 何ということだ。今まで正体を隠してずっと自分たちにくっついていたのか。

 どうりで行動がやけに似ていたわけだ。飼い主だからではなく、飼い主本人だったとは。

 そもそも人間が鳥になれるのか。思考がぐるぐる回って追いつかない。

『ソール、みんなが君の帰りを切望してる』

「リリーとオルトはどうなった?」

『リリーはグラノに連れ去られた。オルトも一緒に』

 キルクルスの口調は暗く、悔しそうだった。

『君がこういう目にあうとわかってたのにとめられなくて、ごめん』

「別に、お前のせいじゃないだろう」

 責任があるというなら自分も同じだ。魂が抜ける直前の光景を思い出し、ソールは唇をかんだ。

『朗報だよ、ソール。君たちの玉はまだ失われていない。道は閉ざされていないんだ』

 つまり、七人の絆は今もなおつながったままなのか。自分が死んだ状態でも、オルトがおかしくなってリリーがさらわれても、結び目はほどけていない。

「助けられるのか」

 リリーとオルトを。

『うん、必ず。だからソール、みんなのもとへ帰ろう』

 キルクルスのうながしに、ソールは母を見やった。こうなることを知っていたかのように、母はにこにこしている。

 ソールは母の腕の中の赤ん坊に手をのばした。小さな小さな手に人差し指で触れると、赤ん坊はその指をきゅっとにぎった。

「俺は戻る。戻って、生きて、お前が俺のもとへ来るのを待つことにする。今度こそ一緒に遊ぼうな」

 ソールの呼びかけに、赤ん坊がうっすら目を開けた。その瞳を見て、誰を母親に選んだのかソールは察した。

『ソールを足どめしてくれてありがとう』

「主神のお取り計らいよ。私もこの子もソールに会いたかったから、喜んで引き受けたわ」

 礼を言うキルクルスに、母は「ソールをお願いね」と一言添えた。

『ソール、僕についてきて』

 先に羽ばたくハヤブサに続きかけ、最後にもう一度ソールは母と弟をふり向いた。

「行ってらっしゃい、ソール」

 母が手を振る。弟はもう目を閉じていたが、口元が上向きに弧を描いていた。

 ソールも片手を挙げてあいさつし、キルクルスを追って下降の風に乗った。



 体は学院の治療室に寝かされていた。そばに腰かけてうつむいているのは父だ。

 時計を見ると、すでに放課後だった。刃に倒れたのは朝なのに、それほど長い時を上で過ごしていたのか。あるいは時間の流れが違うのかもしれない。

 一度出たので入るのは難しいのではと心配したが、意外とあっさり体に受け入れられたソールは、自分の手をにぎる父のぬくもりをまず感じた。

「――ソール?」

 かすかな反応に、ぱっと父が顔をあげる。少し赤くなった目を見開いた父に、ソールは笑いかけた。

「ただいま、父さん」

 ずっと軽い魂の状態だったので、体を動かすのがやけに重い。ゆっくりと上体を起こしたソールは、父に強く抱きしめられた。

「まったく、お前は……」

 帰る道すがら自分がキルクルスから説明を受けたように、父もセピアたちに事情を聞いたのだろう。のんきなことを、と叱る声は震えていた。

 それも当然かもしれない。心の準備をすることなく妻を亡くし、今また息子を急に失うところだったのだから。

「心配かけてごめん。向こうで母さんに会ったよ。弟もいた」

 キルクルスが来るまで母に引きとめられていたこと、二人とも元気にしていたことを伝えると、「そうか」と父が鼻をすすりながら答えた。

「父さん、これからしばらく鍛錬に付き合ってくれ。鍛え直して、リリーとオルトの救出に向かいたい」

 ぴくりと父の肩がはねた。抱擁を解いた父は、眉間にしわを寄せてソールを見つめた。

「だが、オルトは……」

「オルトがあんなふうになったのは俺のせいだ。俺がもっと早くオルトとぶつかっていたらよかったのに、ずっと遠慮して揉め事を避けていたから」

 無事に二人を救ったらきちんと向き合って話をし、認めてもらうとソールは告げた。

「あいつは大事な勝負相手なんだ。だから絶対にあのままにしてはおけない」

 意気込むソールに、父は「ふむ」とうなって腕組をした。

「オルトのことはお前の好きなようにしろ。それより、リリーについて何か言うことはないのか?」

 あえてはぐらかしていた点をつつかれ、ソールはぐっと言葉に詰まった。

「……リリーは……関係が定まったら、ちゃんと報告するから」

「ほおぅ?」

 時折浮かべるからかいの表情が復活している。居心地の悪さに視線をそらしたソールの頭をぽんとたたき、父は腰を上げた。

「できるだけすみやかに問題を処理してくれるとありがたい。お前の腑抜けっぷりを見るのは耐えがたいからな」

 反論できないのが恥ずかしくて歯がゆい。口の端を曲げるソールに笑って、父は背を向けた。

「俺は少し仕事をしてから帰る。今日の夕食は俺が作るから、お前はみんなと話をしておけ」

 父が扉を開けると、セピアたちがわっと押し入ってきた。

「ソール!」

「よかったあ、本当に生き返ったんだねっ」

 寝台に駆け寄る仲間たちに瞳をすがめ、父は部屋を出ていった。

「もう本当に心配したんだから」

「ソールの魂が抜けて飛んでいったときは、正直だめかと思ったよ」

 セピアたちは涙目になっている。そのそばで涼しい顔をしているキルクルスにソールは目をやった。

「世話になったな。しかし、なぜずっと黙ってたんだ」

「そのほうがみんなの素を見られると思って。リリーの家にも出入りしやすかったし」

「お前、絶対に後半が目当てだろう」とルテウスが苦々しげに指摘する。キュグニー家に我が物顔で住んでいたことが許せないようだ。

「どうして鳥になれるのかは追及しないでね。説明が難しいんだ」

 そういう体質だからとしか言えないと、キルクルスが肩をすくめる。キルクルスの一族の秘密なのだとしたら、安易にぺらぺら語れる内容でないのは確かだろう。

「あれ? キルってクルスのとき、キュグニー先生とは意思の疎通ができてたんだよね。じゃあ、キュグニー先生はクルスの正体を知ってたってこと?」

 首をかしげるレオンにキルクルスはうなずいた。

「まあ、来て早々に治療してもらったし、協力者は必要だったからね。でも僕に刺さった矢をさくっと調べて『君は何者だ』って聞いてくるんだから、まいったよ」

「当然だ。お前、キュグニー先生を何だと思ってるんだ」

 馬鹿にするなとルテウスが鼻息を荒くする。

「それで、リリーたちの居場所はわかったのか?」

 ソールの質問に、ルテウスをはじめ皆が苦い顔つきになった。

「追跡はしたんだが、途中で御使いがやられちまった」

 御使いはフォーンの町を出る直前に敵の法術を食らって消滅し、ルテウスはその衝撃で倒れてしまったのだという。

「ロードン先生に頼んでファイおじさんに知らせてもらったから、ファイおじさんも対策を練ってくれると思う。しばらくはリリーの家で作戦会議になりそう」

「行くなら俺も参加する」

 ソールの即答に視線が集まる。「頼もしい仲間が復活してくれて嬉しいよ」とレオンが笑った。

「きっと最後の試練だから、絶対にみんなで乗り越えようね」

 セピアの呼びかけに、その場にいた全員が力強く首肯した。

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