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焦燥感 (ただの夢)

作者: 夢を見るゴミクズ

僕達は田舎に大きな期待を持っている。

その期待を一言で表すなら「青春」である。

青い空、緑の山々、どこまでも続く海。

重い人間関係、他人の目を気にして本来の自分を打ち明けられない、そんな日常から逃避し楽しめる場所だと考えているからだ。 


列車で友達と日帰り旅行で田舎に行こうと約束していた。

前日から楽しみであり旅行の準備はせず夢中で観光地に

ついて調べていた。

普段会えない友達とその短い時間を極限まで楽しみたいからだ。その日はなかなか寝れず、ただ鼓動が聞こえた。

当日、朝4時に起床しシャワーを浴び、使うと思われていた道具を用意した。

薄暗い静けさの中、自転車に乗り近くのコンビニで

朝ご飯を買ってやや距離のある大きな駅に向かった。


一番乗りだったが間もなく、全員が揃った。

しかし、余裕を持ち予定を組んでいた為

列車が来るのにはもうしばらく時間があった。

各々が朝ご飯を食べたり、駅の周りを散歩したり

様々な事で一時間に満たないくらいの時間を

過ごすことにした。


朝ご飯を食べ終わり、時間が余った僕は駅の周りを散歩している友達と合流することにした。

合流し、今日の旅行について観光地について

話し合っていた。 

二人が朝ご飯を買いにコンビニに行くと言ったので

分かれて戻ることにした。


駅まで戻り落ち着くととんでもないことに気づく。

切符を忘れていたのだ。

切符はあらかじめ各自で用意しており

限定で発売される切符の為、無くすと乗ることができなかった。

友達に話し、急いで家に戻ることにした。

全身が痺れるような焦りを感じ、家に戻る。


自分の部屋は汚いわけではない。

物がたくさんあるのだ。

日々の生活が忙しかったこともありものの入れ替えが

多く、どこにものを置いたか忘れることが稀にあった。

死にものぐるいで探してもなかった。

しかし、楽しみにしていた旅行。

友達がいなければ広く自由な空間は自分の孤独さを

強調される場所でしかない。

友達がいなければ僕にとっては旅行する意味がなかったのだ。みんなの都合が合いやっと取れた時間。

失うわけにはいかなかった。


死ぬ気で探した。

普段、学校に行くときに使っている定期入れ。

すべてのファイル。 

もしかしたら既に持ってたかもしれないと思い、リュックの中を全力で探す。

無かった。無いことを友達に伝え、絶望を感じていた。

他の列車を使いその場所まで行く場合にはみんなと合流できるのは午後1時くらいになる。

仮に行ったとしても旅行の時間は大部分が失われることになる。 もうどうでも良くなった。


自分の愚かさ、無力さを楽しみにしていた分だけ感じ

絶望した。 そのまま寝ていると起きたときには午後6時

一人の部屋にはただひたすら静けさがあった。

















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