恋人のフリ
放課後。
俺は自室のベッドで横たわっていた。
18時前に自室の扉がノックされた。
「ぅんぁー?」
「兄貴、ただいま。ママが飲み会に誘われて遅くなるって。ファミレス行こ」
「えっ、そんなことっ……うわ、きてる。金なんてねぇしなぁ〜」
「お金はあるよ、ほらっ!」
妹が片手に5000円札をひらひらさせた。
「貰ってたのかよ。早く起きれば良かったじゃん」
ルームウェアを脱ぎ捨て、外に出掛ける用の服に着替えた俺。
リビングに脚を踏み入れ、妹に声を掛ける。
「支度出来たぞ」
「うーん、じゃあ行こ」
二人で出て、妹が施錠をして、自転車を跨いで乗って、走り出す。
俺たちはファミレスに赴いた。
ファミレスに到着して、自転車を降りて、鍵をかけ、入店した。
俺はうな重を注文し、妹は目玉焼きがのったハンバーグを注文した。
「兄貴、ファミレスに食べに来てうな重ってなに!?」
「余裕があるんだから良いじゃねぇか」
「余裕はあるけど……もうぅ!」
「ドリンクバー、行ってこいよ」
「あー、うん。兄貴ったら……」
妹がドリンクバーに行って、席を離れた隙にスマホを弄る。
3分も経たずに戻ってきた妹だった。
「なぁっ内島さん、こんばんはっ」
俺たちの席を通り過ぎようとした男性が横から声を掛けてきた。
「嶋田くん……と無我くん」
「凪、クラスメイトか?」
「そうだよ、あっ智史」
「サトシ?あぁーそうか。凪と仲良くしてくれてるのか。ありがとうな」
「あっいやー仲良くはないですけど……」
声を掛けてこなかった男子が返答した。
気まずそうに、渋い表情を浮かべる彼。
「内島さん、彼はどういう?」
声を掛けてきた方の男子が恐る恐る聞いてきた。
「かぁっ彼氏……だよ。恋人」
「へっへぇ……内島さん、彼氏が居たんだ」
「そう……だよ」
「そろそろ席に戻ろう。迷惑になるから」
「そうか、そうだね。また」
二人の男子が席に戻っていった。
俺たちが注文したうな重と目玉焼きがのっているハンバーグ、フライドポテトが運ばれてきた。
俺たちは自身のペースで食べ進めていく。
「凪、彼のこと嫌いなのか?」
「嫌いじゃないけど……苦手なの」
「身体目当てそうじゃないけど、彼」
「はぁあっ!?あっ兄貴、なに言ってんの?」
「身体目当てそうじゃないって言ってんの。セックスだけがしたいって感じじゃないっていうの」
「セックス……なんて嫌だってぇの。そんないかがわしいことなんて」
「そのいかがわしいことをママとパパがして、俺らが産まれたんだろうが」
「いちいちそんなこと言わないで、兄貴」
嶋田と無我には恋人のフリはバレずにファミレスから出て、帰宅した。




