祝日の鈴
祝日の校庭に予鈴が響き渡った。
休みの終わりを悟った児童たちが動きを変える気配は無く、ただスピーカーの残響がのろのろとグラウンドを駆けた。
授業のために児童が出てくる気配も、教室へ移動していく声もない。
ただいつもの刻に、予鈴は鳴った。
祝日の学校の本鈴は教員の声を伴わなかった。
用水路の音を掻き消すほどの児童の号令も無かった。
聞く者を求めずとも平日と変わらぬ定刻にただその音を響かせた。
平日より長い残響が人のいない校舎を彷徨っていく。
最後まで目を通していただき、ありがとうございます。
またお会いできましたら幸いです。