絶望に次ぐ絶望 シャドウタワー
※ネタバレ含みます!
第五回。PS用ソフト、フロムソフトウェアの「シャドウタワー」。
KFⅢが来ると思っていたかた、残念でした。今回はシャドウタワーです。で、宿屋のばあさんどうなったん?
ディスクをセットして起動すると、主人公らしきキャラが敵にめためたにやられているショッキングなムービー(時代を考えると超絶綺麗)が流れます。
物語の始まりは、傭兵をしているルース・ハーディがゼプターという町を訪れたところから。ゼプターは巨大な塔が立っているのでお馴染みの町です。
彼は身寄りのない人間らしいのですが、その町の宿屋のばあさんにはなついていました。久々にばあさんのうまい飯をくおうかとゼプターを訪れると、まあ大変。町はなくなり、塔も消えて、地下へと続く穴があいているではありませんか。
そこに、聖職者らしいおっさんが訪れ、ルースを貴族と勘違いしているような素振りを見せます。うさんくさいので、そういう芝居かもしれません。
うさんくさいおっさんは、塔はなんかやばいもので封印されてた、今は町ごと魂がとりこまれてる、なかに居るやつらを退治して町の人間を救ってくれ……みたいなことを語ります。
ルースは町には義理もなにもないのですが、宿屋のばあさんだけは気になるので、塔のなかのばけもんに有効らしいショートソードをもらって降りていきます。ルースよ、そんなに素直でよく傭兵なんかやれてたな。
下へ降りたところから操作がスタート。地上に戻ろうとしてもがれきが崩れてきてできません。素直に下へ行きましょう。足場が悪いので足を滑らせたら即死です。
KFで慣れてるから平気だぜ! なんて見くびってはいけません。
とにかくくらいし、なんだか血まみれだったり血みどろだったり、骨が強かったり、とりあえずこわい。BGMがなく、ルースの歩きまわる音とクリーチャーのたてる物音だけ(とは、限りませんが……)が響く世界。恐怖です。ホラーゲームではないといわれても信じられません。
ちょっとすすむとお店があったり、武具を修理してくれるところがあったりしますが、店主や店員はみなさん人間ではなく、人間のルースに対して露骨に嫌悪を見せる者も居ます。でも、クーン(お金)がたまったら、奮発してフォーチュンビーナスを買っておきましょう。装備すると周囲が少しだけ明るくなります。
終始くらいシャドウタワー内において、視野の確保は死活問題。明るさを軽視して視野がくらくなる装備をつけていたら、あしが空を踏んで……なんてことになりかねません。この時代のフロムの主人公にお馴染み、「落ちたら死ぬ」のです、ルースは。
塔内は幾つかのエリアに分かれ、ファットモールというキャラの教えてくれたとおりに各エリアのボスを倒すと、ラスボスへの道が拓けます。
このファットモール、通称ハムハムは、助言してくれたりクーンをくれたり、なんだかいい子っぽいのですが、まったくそんなことはありません。物語をすすめていくと、どうやらシャドウタワーのボスにとっては目障りかつ脅威の存在であるらしいことがわかってきます。ルースにとっても、多分彼は邪悪な存在ですね。要するに、ルースをそそのかして戦わせ、塔内をむちゃくちゃな状態にしているキャラです。
ラスボスは置物です。「フロムのラスボスは置物」といわれるようになったのはここからだとかなんとか。
パラメータを上げて弓矢でやるのがてっとりばやいそうです。ラスボスよりもそのいっこ手前が厄介かと。
ゲームとしての操作性は、さほど悪くありません。ルースくんは後ろ手に扉を開け閉めできる人間なのです! 水妖界ではその所為で酷い目にあうんですが(^^;
また、レベルの概念はありません。ただ、敵を倒すことで手にはいる「ソウルポイント」が勝手にパラメータに加算されていきます。ソウルポッドという、SPが封じ込められたアイテムをつかえば、幾らかのSPをパラメータに割り振れます。
ただし、敵もアイテムも有限なので、敵を倒しまくってパラメータMAXなんてことはできません。それをやりたいひとはエヴァーグレイスへどうぞ。
その上アイテムのなかには、二者択一で手にはいるものも。よく考えてプレイしましょう。
更に、アイテムの修理にHPが必要だったり、装備できる重量に制限があったりと、結構シビアなバランス。快復ポイントを復活させるまでに装備がすべて壊れ、積んでしまう、なんてことも……。
ここでこのアイテムをつかうべきか? 装備をかえるべきか? と、それなりに真剣になやむのも、シャドウタワーの味のひとつです。
ホラーがすぎるところと、エンディングムービーで「え?」となることを除けば、わたしにとってはかなり好きな部類のゲーム。
ただし、ひとつだけ文句があります。
火炎界に出てくるハイブリゼーター強すぎ問題。
まじで強い。中ボスより強い。離れたら魔法、近付いたら強烈な連続攻撃、逃げ場がねえ。バブルシャワー(魔法)であしどめして、ひるみから回復しそうになったら剣でぶっ叩いて、また回復しそうになったらバブルシャワーで……と繰り返すのが安全ですが、二体出てくることもあるんだよ\(^o^)/
そもそもクリーチャーさんたちは団体行動がお好きなようなので、囲まれたら死にます。トラップも多いので大変ですよ。
ハイブリゼーターは倒しても獲得SPがしょぼく、こっちはぼろぼろで装備もぶっ壊れたのに得るものが少ないという虚無感を覚える仕様です。
あ、最後のエリアは「虚無」だから、ある意味ああいうクリーチャーは居るべきなのか。
苦労してボスを倒したのにワープポイントでかたまることも多いシャドウタワー、たまには虚無を味わってみませんか?