半年でこれは異常 KING'S FIELDⅡ
※ネタバレ含みます!
第四回。PS用ソフト、フロムソフトウェア「KING'S FIELDⅡ」。
前作同様、くらい。こわい。気持ち悪い。今回は敵に人間が追加され、黒いいか(あしの本数からたこ説あり)やひとつ目のとんぼ、飛んでくる魚などモンスターも気持ち悪さパワーアップ、慣れないひとなら絶叫必至です。
ついでに、前作が出てから半年で出たという異常なペース。仕事がはやいとかいうレベルじゃない。
さて肝腎の物語です。
舞台はエレルギア大陸北方三国の北の海にあるメラナット島。
前作の主人公・ジャンは、邪悪な王を討ってムーンライトソードを墓所から持ちかえり、母親が王家出身だったことから、急遽王さまとしてまつりあげられます。
ところが、その聖剣ムーンライトソードが何者かに持ち去られてしまいます。メラナット島にあるらしいということはわかったものの、ジャンは王さまになった身。国を離れて好き勝手することはできません。お仕事が多々ありますからね。
そこでジャンの親友であり、食客としてヴァーダイトに滞在していたアレフ・ガルーシャ・レグナスが、メラナット島まで聖剣をとりかえしに行くことに。彼がⅡの主人公です。
ちなみにアレフは隣国グラナティキの第二皇子。幾らジャンのお父さんの弟子であり、ジャンにとっては修業時代からの親友といえ、別の国の皇子を危険な地におくりこんでいいものなんか? という疑問はありますが、そこはあんまり深くは考えないでくださいな。
アレフはジャンに頼まれてメラナット島へ向かうのですが、メラナット島は教王という力こそ正義なやつが支配しており、島そのものは毒でそもそも人間が住めたような場所でもないらしく、おまけに教王が許可している商人の船以外は嵐で確定で転覆するという地獄みたいな設定。
当然のようにアレフののっていた船も転覆し、彼は装備品も持ちものもほぼすべて流された状態で奇跡的に島に漂着します。残っているのはブーツに隠していたダガーのみ。味方もなく、孤独な探索行がスタートします。
取説をなくしたのでうろ覚えのあらすじですみません(__;)
とりあえず、アレフは島を駈け巡ります。それはもう凄まじい速度で。
これは前作がゆったり移動剣士ジャンくんだったからの反動なのか? アレフは流星のようなスピードで走ります。KFⅣ(いずれ紹介する予定)をやってすぐにⅡをやると脳が追いつきません。
KFシリーズの主人公陣の足のはやさは
イクス<<<<<ジャン<<ライル<(越えられない壁)<アレフ
です。まーとんでもなくはやい。走りすぎると処理落ちします。
そんなスピード狂のアレフは、走っていった先で数々の手がかりを見付けます。先発していたヴァーダイトの兵がその辺で死体になって転がっていたり、牢屋に捕らわれていたりするのですが、別に助けなくても話が進むのがKFシリーズのよいところ。牢屋のひとに関しては助けないほうがしあわせかも、なので、わたしは無視します。
島の数少ない住民を助けたり、兄をさがしてやってきたという巨乳のノーラとお近付きになったり、水晶の壜を要求してくるいけ好かねえやつに仕方なく水晶の壜を渡したりします(いいアイテムと物々交換してくれる為)。行方不明のサンドル少年を蟻の巣から助け、モンスターを飼う心優しい少女・ジジの頼みで彼女のお父さんを助けたり、椅子に座って揺られているおばあさんの頼みで牢屋で膝抱えてるエルフのお兄さんを救ったりと、アレフは大活躍。エルフの神殿を見付けておばけと喋ったり、いい剣を手にいれたりします。
この辺も多分やらなくても平気。最悪、レベルを上げて物理で殴ればいいのです。
僧兵達に暴言吐かれながらもぼこぼこにし、死屍累々築いたアレフは、風の王ハーバイン三世の居城跡や、高名な魔導師オルラディンの弟子・黒の地霊のシュドムが残したひとつ目巨人など、なんだか因縁が深そうなものも沢山見付けます。見付けなくてもクリアはできますが。
KFシリーズでは「頭がいいひとほど人間性に問題あり」なので、とっても賢い魔導師さん達は大概ろくでもない遺産を残してくれています。生きてるひとでも賢いほど腹がたつ言動を繰り返すのよな。
ちっちゃいおっさん(エルフらしい)に魔法をぶちかまして強奪をしたり、どことなく見覚えのあるアースエレメンタルさんが1/265の確率で落とす武器を狙ってみたり、アレフはメラナット島を漫喫。メラナット島特有の毒もたっぷり体にしみこんだであろう辺りで闘技場へ。怪獣みたいなでっかい敵を四体倒すと、教王の待つエリアへはいれます。
教王は闘技場のまんなかで立派な椅子に座って待っています。
彼はもともと、剣の道を志していた単なる人間でした。ところが、ジャンのお父さん、ハウザーに負けて尋常じゃなくショックをうけ、武者修行のために腕に憶えのあるやつが日々血で血をあらっているという闘技場のあるメラナット島へ。そこで、エルフの伝承に残るギーラという神さま的なやつに目を付けられ、その操り人形になってしまったのです。
しかも、ギーラはムーンライトソードを扱えるだけの技量のある人間をさがしていたのですが、教王は力不足だと判断され、強いやつへの餌として置いてあるだけなのです。
このギーラ、前作の最後のほうで出てきた森の竜の正体です。
そもそもムーンライトソードを与えるつもりではなかったのに、墓所が荒らされて仕方なくジャンに与えたギーラは、それをとりかえしたのです。妖精・ミーリアも、今作には意外な姿で出演。ショックをうけること間違いなしです。
アレフは教王を倒し、更に奥へ。亜空間的なところへ放りこまれます。
なんだかSFチックなその場所は、目印に乏しいので迷いやすい。うろうろしていると強い敵に遭遇し、やられます。KFは麻痺が強すぎるので、麻痺になったら死ぬと思っていたほうがいいです。
そこをのりこえると、ギーラの居る空間へ。足場が悪いので、アレフの脚力を見くびっていると走りすぎて落下します。とりあえず、ギーラの周囲をふわふわしている魔法を吸いとるビットを、弓なんかで叩きおとしましょう。ギーラの背後にある聖剣も、うまいこと突進してギーラのせなかにのり、背後へ落ちればとることは可能です。ギーラ作のギーラの力がたっぷり注ぎ込まれた剣なので、対ギーラ戦では役に立ちませんけどね。
ビットを叩きおとしたら魔法剣なり魔法なり、突進していってダガーで刺すなり、ご自由に。避けようのない攻撃を仕掛けてくる教王よりもよっぽどましだったりする。
ギーラを倒すと、無事、エンディングを迎えます。
エルフに伝わっている伝承がなんだか嘘くさい、とか、結局ギーラはなにが目的だったのか、とか、様々謎はありつつも、アレフは聖剣を手に親友の待つヴァーダイトへ戻り、めでたしめでたし。
攻略のヒントです。
実はメラナット島のNPCの皆さん、アタリ判定はありますし、凄く打たれ強いです(アレフがめちゃくちゃか弱い可能性もある)。
ゲージが満タンの時に攻撃すると、攻撃の経験値が溜まり、有効打撃百回で体力が上がるシステムのKFⅡ。NPCの皆さんにサンドバッグになって戴くことも可能なのです。
息子が居なくなったと心配している若いお母さんでさえ、ナイトソードでざくざく切っても死にません。もうあんたが蟻の巣行って息子助けてこいよ……。
母は強し! なKFⅡ、皆さんも揺り椅子を真理の鏡で見て怯えてみませんか?