短時間クリアもできるけどやりこみ始めたらとまらない 黒い瞳のノア
※ネタバレ含みます!
第十回、1999年発売のPS用ソフト、株式会社ガスト、「黒い瞳のノア」。
可愛い魔獣をゲットしてパーティをつくり、ダンジョンを攻略していくRPG。
シエルグリスと呼ばれるその世界には、黒い瞳のノアという少女が居ました。
彼女は田舎の村で生まれ育った、普通の女の子。魔法が存在する世界ですが、魔法をつかうことはなく、将来の夢は幼馴染みのディスティーンという少年と結婚してしあわせな家庭を築くこと、というごくごく平凡で平和的で穏やかなもの。その日も水汲みに精を出していました。
ところが、ディスティーンに誘われて、村近くの森のなかにある洞窟へ行ったことから、彼女の人生は急転します。
その洞窟の地面には、奇妙な模様は描かれていました。ノアがそれを踏んでしまったところ、謎の男があらわれます。
男は自称「魔神」で、ノアに魔法をかけようとします。ノアを庇って、ディスティーンがその魔法をくらい、石化してしまいました。
魔神はノアを残して居なくなります。
途方に暮れるノアのもとに、今度は謎の女性が。こちらは自称「大地の女神・ニル」。ノアを落ち着かせ、ディスティーンをもとに戻すには魔神を封印するしかないと説きます。
実は遙か昔に起こった魔神大戦で、魔神は「黒髪の聖女」に封印されていました。長い時間が経ったことでその封印が解けてしまったのです。ただ、充分な魔法の力があれば、再び封印することは可能です。
しかし、「黒髪の聖女」は魔法が悪用されるのをおそれて、自身が持つ魔法の力を各地のダンジョンへ分散して封印していました。
ニルさまは魔神との戦いで力をほとんど失っており、ノアに少しの魔法の力と、魔獣を捕まえて使役する力、わずかな装備品を与えることしかできません。
ノアはディスティーンを救う為に、封印された魔法を集める旅に出ます。
物語の導入部分は壮大でかなりショッキングなものの、二時間程度でクリアすることも可能な難易度です。
ただし、モンスターの編成などを凝りはじめたらきりがなく、その点でのやりこみ要素は満点。ラスボスよりもよほど強いキャラも存在します。
このゲームの肝、というか一番楽しい部分は戦闘です。
パーティは最大六人編成。序盤から終盤まで、特にこだわりがなければ主人公は後衛のまんなかに置くプレイヤーが多いでしょう。レベルを上げまくれば(そしてドーピングすれば)前縁でも活躍できるかもしれませんが、ノアは魔法アタッカ兼ヒーラとして運用するのが楽です。
この辺りにちょっとした難点があるのですが、それは後ほど。
魔獣は、なろうファンタジーでもおなじみの「序盤に出てくる一番弱いモンスター」であるスライムやゴブリン、「主人公の強さを認めて味方してくれる」ドラゴンなど、様々な種族が出てきます。
都市間やダンジョン内での移動の際、戦闘がはじまるのですが、一回の戦闘につき最大一体の魔獣を捕まえることができます(捕まえられないこともあります)。
ちまちま攻撃して弱らせてゲットし、味方にしたら好きな名前をつけ、パーティに編成して、一緒に戦ってもらいましょう。キャラグラフィックがとても可愛いですし、それぞれのモーションもかなり凝っています。スライム系が魔法をつかう時のモーションは必見。
モンスターは、ゲットすれば後はなにをしても、脱走などはしません。所持できる数に上限があるので、要らないモンスターは魔法屋で買いとってもらいましょう。マーダーウッドは金策にぴったり。とはいえ、酒場で依頼をうけていれば、そうそう金欠にはなりませんが。
モンスターは、パーティに編成せずに控えにまわしていても、徐々にレベルアップしていきます。序盤で手にいれて忘れていたゴブリンが、ラストダンジョンで大活躍、なんてことも……。
出てくるモンスターは、
スライム系
ゴブリン系
マーダーウッド系
ウィル・オ・ウィスプ系
ドリアード系
リザードマン
ウィッチ
ワーム系
マーメイド
クラブ系
シーサーペント
ドラゴン系
ゾンビ系
スケルトン系
ゴースト系
ゴーレム系
エンジェル系
ワルキューレ
ピクシー系
ウィザード系etc.……
おすすめはスライム系。速度が高く、レベルを上げていれば相手になにもさせずにラッシュをかけて勝ててしまいます。
ドラゴン系は強く、ロマンある見た目になるものの、速度が低く、育成に時間もかかります。
バランスがとれているのはスケルトン系ですが、相手パーティに神聖魔法をつかうキャラが居ると一気に全滅の憂き目に……。
ウィッチ、ドリアード系、エンジェル系など、可愛い女の子のような見た目のモンスターもゲットできます。ゲーム内で一体しか入手できないワルキューレというモンスターは、育てるととっても強い。
速度が低いけれど、わたしはゾンビ系編成をしていました。ほかのゲームのゾンビはあまり好きじゃないのですが、このゲームのゾンビ、顔がじゃがいもに見えて可愛げがあるのです。じゃがいもの品種名を名前にしていました(^◇^;)紫の子はシャドークイーン、とか。
ノアは各地を移動し、酒場で噂を聴いたり、先輩冒険者にダンジョンの場所を教えてもらったり、ニルさまの神託を受けたという神官さんに協力してもらったり、と、いろんなひとやモンスターに助けてもらいながらダンジョンを攻略し、封印されていた魔法を集めていきます。
工業都市セルには闘技場が存在し、そこで勝ち点をためると貴重なアイテムと交換してもらえます。
王都ソレイラントには魔法アカデミーがあり、魔獣を育ててくれたり、魔獣とアイテムを合体させて別の種類の魔獣にしてくれます。
ダンジョンの奥では、ドラゴンか、ニルさまの姉妹女神が待っています。魔神大戦で大半の力を失った彼女達は、それでも、それぞれの担当する属性の魔法をまもってくれていました。
各属性の最強魔法を集め、封印の洞窟へ。魔神を倒せば、ディスティーンの石化も解け、物語はエンディングへ……なのですが、選択肢によってはここでゲームを終了せず、これ以降も続けることが可能です。何年目まで続くのかはやっていないのでわかりません(..;)
ゲーム内で経過した時間や、キャラとの関わりによってエンディングも分岐します。
難点はふたつ。
ひとつは、前述のゲーム内に一体しか居ないモンスター、ワルキューレ。
このワルキューレ、ラストダンジョンの、ラスボス手前に配置されているのです。
「ノア」では、ダンジョンに潜ってもプレイヤーの意思で出てこられますから、ワルキューレを捕まえてダンジョンを脱出し、育成することは可能です。可能ですが……ラストダンジョンに這入るには、ノアのパラメータが一定以上なのか封印されていた魔法を一定以上持っていることなのか、とにかくなにかしらの条件が存在します。
這入るのに条件があるダンジョンの、それも最奥。ここでしか手にはいらないというのは、ちょっと厳しい。
もうひとつが、主人公ノアのパラメータです。
ノアは最初は「普通の女の子」というだけあって、うたれ弱く、MPが高くないので魔法も連発はできません。モンスター頼みの戦闘が続きます。
ですがダンジョンを攻略すれば、強い魔法を手にいれると同時に「賢さ」が上がり最大MPも増えるので、あっという間に強くなります。
レベルアップに伴うパラメータの上昇も、かなり多め。ちょっとした敵ならノアの範囲魔法で一掃するくらいになります。このおかげで楽、かつ「慣れれば二時間クリアも可能」なのですが、ノアの魔法に重きを置いた編成にしてしまいがちです。
あなたもスライムに囲まれてわちゃわちゃされたり、可愛い女の子編成にしてみたり、モンスター育成&編成を工夫してみませんか?