表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おいさんの異端日記  作者: おいさん
9/11

伋:タタリ神



呪いと、祟り。


似た意味を持つけれど、明確に違う、言葉。


ノロイはマジナイとも読める、明らかに何かの意思や言霊、アクションを持ってから行われるもの。


祟りは・・・想いだけで自然災害と等しく、意思を無視して周囲に在るモノ全てに影響を及ぼすもの。



祟り神とは、想いの強さ故に怒り=自然災害を起こした者へ、その怒りを神格化して崇める事によって鎮めた上で、その上で崇める民・無知な者を助ける為にその莫大な神力を使って貰うように、ヒトの作り出した苦肉の策・システムの対象者である。



昔のヒトは無意識に『ヤバイ!怒らせた!!崇めなければ!』と行った事だろうが、


タタルも、アガメルも、同じ漢字を使うのが意味深である。





それはとある旅の中の、出来事。


私は、出張先や旅先で、ひとりで先の街の中をうろうろするのが大好きである。

全国各地、色々な所にお邪魔して、美味しいものを見つけたり、寺社巡りしてみたり。


そんな旅の合間に、それは起こった。


以前から目星をつけていた、いにしえの郷土菓子をゲットし、ついでに美味しいシュークリームもゲットした私は、ウキウキで街の中を彷徨っていた。


街も昔ながらの建物が多く、窓や屋根の造りなど、写真を取りながら、ふと、何かに導かれるように、横道を入りひたすら、気になった方へ進む。


しばらくすると、眼の前には人気のない、寂れた神社があった。

寂れてはいるけれど放置までは行っていない、でも、神域からは涼しいような綺麗で凛とした気配がするので、私は躊躇う事なくその神社へ足を進めた。



その神社は。


ほんとうに昔の造りの社殿で、少し苔生した箇所もあったが、美しい。

私はそのまま社殿へご挨拶をし、御供えとして、購入したシュークリームとお菓子を供え、そしてしばらくした後にお下げして、その神社を後にした。


これは、いつもの事ではあるが、神社は神様へ日々の感謝を伝える場所であるが、一介の旅人である私は、「美しいこの土地をお守りいただきありがとうございます。」

や、仕事先の場合はプラスで

「◯◯にてお仕事させていただきます。何卒お見守りいただけますと幸いにございます。」

など、ご挨拶と感謝をお伝えする言葉を紡ぐに留まっている。

お願いは、ここぞという時にしか、しない方が良いからだ。

そして、御供えできるものがあれば、自分より先に神様に召し上がっていただくようにしている。


今回も、ご挨拶をして、御供えして(入手動機や経緯も伝えた)、そして、私は宿泊先へと帰った。


で。

その日の晩。


夢に、どうやらその神社の神様が現れた。

そして、すげぇ親切に、御供えレビューや豆知識を教えていただいて、ついでに神社への参拝客が少なかったから嬉しかったとか、「また頼む」と御供えを指して楽しそうに話していかれました。



そして朝目が覚めて、まず夢の精査と記録を行い、ついでにその神社の神様はどなたかな?と調べてみたら。


その土地では、祟神であり守護者である。

鎮める為の神社であるので、通常、神域に封じられて人も立ち入れないようになっている場所である。



・・・あれぇ? 封印なんてなかったんだよぉぉ??



とは思いつつも、神様も寂しかったのかな、と思って、

他の神々様と同じく、現在でも美味しいものを食べる際は遠隔御供えを行っています。


もちろん祟りや悪い事は特になく、時々他の神様と共に、夢で井戸端会議していらっしゃいます。

楽しそうで、本当に良かった!と思っていたのですが。



でも、やっぱり神様だから。

失礼なことは絶対にすべきではないのです。


心無い人間にお怒りになれば、自然災害は起きるし、それにより人間にも甚大な被害は出るのです。


ニュースで、その土地で大災害が起きたと見た、その時。

私は本来その土地に再訪する予定が、寸前で急遽出張地変更されて、真反対のエリアにいて、逃されたのだと理解ったのだから。


さて、欲深い者が多い昨今、どこまで純粋に真っ直ぐに生きていけるのでしょうか、ね?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ