方向性が決まったようです!
「ハナさま、素晴らしいですわ!」
「えっ」
「ハナ姉さま、さすがです!そうですわ、心中ものは数十年前に流行ったものの真似をする者が多発したために数代前の宰相が禁止したっきりだったんですけど・・・。いまはむかし!!ここは心中ものでいきましょう!」
「・・・ふむ。そうじゃの。分かりやすくて良いかもしれん。お涙頂戴ものは流行るじゃろ。」
「え~?!私、死んじゃうの?!主演の娘役なのに?!」
橙和ちゃんが驚愕の表情を浮かべてて可愛い・・・。
「あ、あの橙和ちゃん!海外の物語だと主人公は死んじゃう系が多いんだよ!海外風の文化にあわせていきましょう!」
「えぇ~?そうなの?かの国の方の好みって不思議なのね。」
「そうだよ!最終的に王子様のキス・・・じゃなくて、素敵な殿方からの接吻で目覚めるんです!」
「せ、接吻?!私とハナが?!?!」
「えっ!」
「えっ?」
・・・。
・・・最高か?
「うん!!!そう!!劇のためだから!!?私がしたいってわけじゃないからね?!いや、もう最高かって思うのはもちろんそうだけどね?!?!」
一気にまくし立てた私の前にはぽかーんとした表情の橙和子ちゃん。
あっ、煩悩が動揺しすぎて敬語がどっか飛んでいった・・・。
「コホンっ、えーと、でも橙和ちゃんがいやならやめときましょう!」
「・・・そうですわね、橙和子さまが出来ないと仰るのであれば致し方ありませんわ。」
「そうじゃの、さすがに妾も無理だという者に強要させるわけにはいくまい。」
ちらっと橙和ちゃんを覗きみると、顔を赤くしながらワナワナ震えながら考え込んでいる。
「あら!誰が出来ないと申しまして!?花山院家の名にかけて!立派にせ、せっぷ・・・ん・・・を果たしますわ!!」
「さすが橙和子さまですわ~」
「やるのぅ、橙和子。そちに任せておけば安泰じゃ。」
「そうでしょう!そうでしょう!お任せくださいな!!」
得意げな橙和ちゃん・・・ポンコツンデ令嬢すぎて可愛い~
「あ、あの~。歌劇ということは歌も披露するんですよね?誰が作るんですか?」
「あぁ、それは妾と殿下じゃ。宮では手慰みに作曲もするからの。」
「そうですね、メロディを作っていただいてそこにセリフをのせようかと。歌舞伎のように。」
「か、歌舞伎?!」
たしかに歌舞伎のセリフって歌ってるみたいだけど・・・えっ、ミュージカルとは違うよね?!
某歌劇団と某歌舞伎座って全然違うよね?!?!
どっちも見たことないからわかんないけど!
「・・・何か違いましたか?」
「た、たぶん・・・?ま、まずは脚本とセリフを完成させてから考えましょう!一度にいろんなことをすると混乱しちゃいますから!」
うん、歌舞伎の女版を作ろうとしてるんだなってことはわかったから、ここはなんとか修正したい。
歌舞伎をする橙和ちゃんをみるより、ミュージカルで軽やかに歌って踊る橙和ちゃんがみたいから!!
こうして私は橙和ちゃんのチョロインさと歌劇団の大変さを噛み締める女子会を終えたのであった。




