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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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小さな第一歩

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 神華樹の果実を一口食べると、師匠が突然苦しみ始めた。


「ぐうぅ……。」


 師匠が苦しむと、彼女の体に繋がれている鎖がハッキリと具現化したのだ。


「あ!!ヒイラギさん、あれ!!」


 イリスが指差した一本の鎖……師匠へと繋がっていたその鎖がパラパラと粉々に崩れていたのだ。


「中和は成功した……のか?」


「恐らくは。」


 そしてしばらくして、やっと苦しみが収まった師匠は、顔中から脂汗を流しながら顔を上げた。


「大丈夫ですか師匠?」


「はぁ、はぁ……ま、まさか食べ物を口にして、こんなに心臓が苦しくなるとは思わなかった。」


 無理に笑顔を浮かべる師匠へと、イリスがあることを問いかけた。


「静葉さん、死の女神との繋がりに何か変化は感じませんか?」


「あぁ、確かに感じた……。私と死の女神を繋げている何かがほんの少し弱まったことを。」


「それなら、試した甲斐がありました。」


 イリスがホッと安心したように胸を撫で下ろしていると、彼女に師匠が質問を投げかけた。


「これを後何回繰り返せば、私と死の女神の繋がりは断ち切れる?」


 その質問に、イリスは少し考え込み……絞り出すように答えた。


「分かりません……。静葉さんと死の女神の繋がりはとても強固で、たくさん回数を重ねないと、完全に断ち切るのは無理なんです。」


「正直に答えてくれてありがとう。だが、これを繰り返せばいつかは解放されるんだな?」


「それは間違いありません。」


「そうか……希望があるなら、この苦しみにも耐えられる。」


「私も、もっと苦しみの少ない方法を探します。ですから、諦めないで下さい。」


「ありがとう。」


 そして一つ大きく師匠は息を吐き出すと、俺の方へと視線を向けてきた。


「柊、ところで今日の昼ご飯は何にする予定なんだ?」


「きゅ、急にそっちの話になります?」


「今日の分はこれで終わりだろう?となれば、後は私のご飯の時間だ。」


 さっきあんなに苦しんでいたというのに、師匠は今日のお昼ご飯に胸を躍らせ、目をキラキラと輝かせている。


「ちなみに今日はパスタにするつもりでしたよ。」


「おぉ!!昼にパスタかぁ……それならカルボナーラが食べたい気分だな。」


「カルボナーラで良いんですね?」


「ベーコンは分厚くカリカリに頼むぞ。」


「承りました。」


 この世界に来てから、こんな風にオプション付きで注文をしてくる人はいなかったから……腕が鳴るな。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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