神の力の中和
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師匠が幽閉されたその日から、イリスがずっと忙しなく動いている。それこそ寝る間もなく……。女神だから睡眠はいらないとのことだが、心配だな。
「なぁ、イリス?」
「は、はいっ!!なんでしょう?」
大量の書類を抱えたイリスが俺の横を通り過ぎようとしたときに、俺は彼女に声をかけた。
「師匠のことを思って、頑張って死の女神との盟約を断ち切ろうとしてくれてる事は、凄くありがたいんだけど……いくら女神で睡眠とかが必要ないからって無理しすぎじゃないか?」
「ふふふ、心配ご無用です。本当に大丈夫ですから。」
いつもと変わらない笑顔でそう答えてくれたイリス。すると、彼女からこんなお誘いを受けた。
「あ、実は今日から試験的に静葉さんに、神華樹の果実を毎日少しずつ食べさせていこうと思ってて……その立ち合いをお願いできませんか?」
「神華樹の果実を師匠に?」
「はい。私の扱う神気は聖の力……その逆で死の女神が扱う力というのは負の力。神華樹の果実には、私の聖の力がたっぷりと入っています。」
「真逆の力をぶつけて、中和しよう……ってことか?」
「そのとおりです。」
なるほど、それは効果があるかもしれない。やってみる価値はあるな。
「わかった、じゃあ早速行ってみよう。」
「はいっ!!」
イリスとともに、師匠が幽閉されている場所へ向かい、監視のエルフに許可をもらってから中へと入った。
「むにゃ…………ん?柊に、イリスかな?」
「おはようございます師匠。ちなみにもうお昼ですよ。」
「ははは、少し惰眠を貪ってしまったようだな。」
「お昼ご飯はお昼ご飯で準備しますけど、その前に……これを食べてみてくれませんか?」
俺はカットした神華樹の果実をフォークで刺して、師匠の口元へと近付けた。すると、師匠の表情がぐっと強張った。
「ぐっ……な、なんだ?か、体がそれを拒否している。」
「これは、死の女神の力と正反対の私の力を含んだ果実です。食べて頂ければ、きっと……死の女神の力を中和できると思うんです。」
「そ、そうなのか……どおりで私の体が、こ、こんなにも拒否反応を示しているわけだ。」
すると師匠は、体を震わせながらも閉じようとする口を無理矢理大きく開いた。
「た、食べさせてくれ柊。」
「失礼します。」
師匠の口の中へ神華樹の果実を入れると、彼女は無理矢理それを強く噛んで飲み込んだ。
直後、師匠の体に変化が起こる。
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