ポンコツ?
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師匠を拘束して、俺はカリンに連絡を取った。
「あ、もしもし?」
『社長か!?連絡を取ってきたということは……勝ったのか?』
「一応制圧はしました。ただ、またいつ死の女神に強制的に体を動かされるか分からない状態なので……。」
『わかった、では此方が単独で向かう。』
そして通話が切れると、俺のすぐ近くに魔法陣が現れた。そこからカリンがピョンと飛び出してくる。
「む、周りがびしょ濡れだな。それにこの臭い……若草が焼けた臭いがする。」
クンクンと周りの臭いを嗅いで、カリンはある程度の情報を得ると、俺の足元でもぞもぞと動く師匠に目を向けた。
「そこに転がっているのが、社長の武術の師匠とやらか。」
「そうです。」
カリンはしゃがんで体勢を低くすると、師匠へと向かって自己紹介を始めたのだ。
「此方の名はカリンという。エルフ国の最長老だ。」
「丁寧な自己紹介感謝する。私の名前は、八雲静葉……柊の武の師をしていた。」
お互いに軽い自己紹介を終えると、カリンは俺と師匠の両方に目を向けて、首を傾げる。
「お互いに怪我はないようだが……随分アッサリと負けたのか?」
そう師匠へと向かってカリンは問いかけると、師匠は苦笑いしながら答える。
「あはは……じ、実は調子に乗って魔法とやらを使ってみたら、魔力切れ?という症状を起こしてしまったらしい。」
「……おい、社長よ。一つ聞きたい。」
「なんでしょう?」
「こやつ、もしやポンコツか?」
「なっ、し、失礼じゃないか!?」
カリンのその質問に、少し悲しそうな表情を浮かべながら、師匠が叫ぶ。
だが、この質問に対する俺の答えは決まっている。
「そのとおりです。」
「柊まで酷くないか!?」
「だって事実ですもん。」
「うぅ……面と向かってそう言われると、悲しくなってくるぞ。」
「まぁ、ポンコツであるが故にこうして楽に捕らえられたのは、不幸中の幸いだったな。」
そしてカリンがパチンと指を鳴らすと、拘束具のさらに上から、何やら文字の刻まれた鎖が師匠の体に巻きついていく。
「おいおい、どれだけ拘束すれば気が済むんだ?これ以上気持ち良……コホン、苦しくなると困ってしまうぞ。」
「死の女神の手下である以上、今はできる限り厳重な拘束をせねばならんからな。我慢しろ。」
少々扱いは雑であるが、これでもう身動きは取れない訳だし、安全は確保されたから結果良しだな。
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