カリンが用意してくれた秘密兵器
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師匠が魔力切れで動けない間に、早速カリンが用意してくれた秘密兵器を使うことにする、
「まずはこれに魔力を込める。」
ポケットから取り出した小さな緑色の宝石に、俺は魔力を込めていく。すると、宝石が眩い光を放ち始めた。
「ひ、柊?何をするつもりだ?」
「あ、また今度死の女神の命令で師匠の体が操られたら大変なので、申し訳ないですけど、指一本動かせないぐらいギチギチに拘束させてもらいます。」
「なっ、こ、拘束だと!?」
「な、何でそんなに息を荒くしてるんですか。そんなに良いもんじゃないですよ。」
何故か拘束という言葉で興奮している師匠へと、緑色の宝石を放り投げた。すると、その宝石の中から横幅のある緑色の紐がシュルシュルと飛び出し、まるで意思を持っているかのように師匠の体をあっという間に拘束していく。
「お、おぉぉぉ!?」
10秒ほど経つと、師匠は顔以外ミイラのようにぐるぐる巻きとなってしまう。
「これを本当は、師匠と戦ってる時に使う予定だったんですけどね。」
「なっ、戦いに道具は持ち込むなと教えたはずだぞ!?」
「まぁ、今回に関してはどんな方法を使ってでも師匠を止めるつもりでしたし。見逃してください。……ってか、そもそも止めてってお願いしてきたの師匠ですよね?」
「うっ……そこを突っ込まれると痛いな。」
まぁ、今のこの状況は師匠からしても、死の女神からしても予想外だろう。これに関しては、魔力切れというこの世界の仕様を、師匠にちゃんと伝えてないのが悪いからな。
「じゃ、ちょっと失礼しますよ。」
米俵を担ぐように、ぐるぐる巻きになった師匠を担ぐ。
「おわわわっ!?れ、レディだぞ?もっと丁寧に扱わないかっ!!」
「十分丁寧に扱ってるつもりなんですけど……。」
「こんな雑な担ぎ方ではなく、レディを抱き上げる時はお姫様抱っこと相場が決まってるだろう!!」
「少女漫画の読みすぎですよ、師匠……。」
今現在、ここに住んでいるエルフ達とドーナ達は、カリンの指示の元、一度獣人の国へと避難している。まぁほぼ安全は確保されたようなものだけど、一応まずはカリンに連絡をとってみよう。
師匠の事を担ぎ上げながら、俺はカリンに作ったもらった魔道具を使って、彼女に連絡を試みるのだった。
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