予想外の決着
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俺が龍桜を使うと、少し興奮気味に師匠は笑った。
「そうだ、それを見たかったんだ。その姿めっちゃかっこい……コホン、実に強そうだからな。」
一つ咳払いをして師匠は平静を取り戻すと、俺へと向かって手を翳した。
「実は私も最近、独学でこんなものを学んだんだ。」
師匠がそう言った直後、大きな魔法陣が展開される。
「メガフレイム。」
その魔法陣から放たれたのは、俺の体を軽く飲み込めるほど、巨大な火球だった。
「魔法……!!」
この森の中で火の魔法は相性が悪い。辺りには枯れた草もあるし、下手をすれば火事になる。
「ウォーターブレス!!」
師匠の放った魔法を正面から打ち消すために、俺はほぼ最大出力のウォーターブレスを撃った。
すると、俺の予想していたよりも、師匠が放った魔法の威力は弱かったらしく、一瞬で火球がウォーターブレスに飲み込まれると、勢いそのまま師匠の体をも飲み込んでしまった。
そしてウォーターブレスを撃ち終わると、全身びしょ濡れになった師匠が水の中から姿を現す。
「や、やはり魔法の腕は敵わないか。だが、体術なら私のほうが……。」
魔法では敵わないと判断した師匠は、すぐに体術での戦いに切り替えようとするが……何故か足取りが覚束ない様子で、珍しく顔面から派手に転んでしまっていた。
「うぐぐ……な、何だ頭がガンガンする。視界もぐるぐる回るぞ。」
魔法を撃ってから急に様子が変わった師匠の姿を見て、俺はある要因を思い出した。
「あ、もしかして魔力切れ?」
「魔力切れ?なんだそれは。」
「あの〜、師匠がどうやって魔法を学んだのか分かんないですけど、魔力を限界まで使い切ると、そんなふうに頭が痛くなったり、意識が朦朧とするんですよ。それが魔力切れって症状です。」
「ぬがぐぐ……ぬ、ぬかったか。あの魔法の本にはそんな項目は書いてなかったぞ。」
必死に起き上がろうとする師匠だが、それに反して魔力切れの症状が強く、全く思うように体が動いていない。
「ちなみにその魔法の本の名前は?」
「た、確か炎魔法の極意……だったような。」
「なんでまた初心者向けのやつを読まないんですか。師匠、日本にいた時も見栄を張って、難しいお菓子の本買って後悔したの覚えてませんか?」
「う、うるさい!!私ならできると思ったんだ!!げ、現に一回はちゃんと魔法を使えたぞ!!」
まるで見栄を張って失敗した子どものように、涙目で必死に訴えかけてくる。この失敗した後、必死に弁明しようとする姿も変わってないなぁ……。
まぁ一度魔力切れを起こしたら、三十分は動けないし、師匠には悪いけどこのまま拘束させて貰おうかな。
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