勝算は……
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ちょっとした失敗もありながら、今日もみんなで美味しく夕食を食べ終えた後……俺はカリンの屋敷を訪ねていた。
「で、話とは何だ社長。」
正面に座るカリンがマンドラ茶を飲みながら、要件を問いかけてくる。
「実は今日俺に会いたいって言ってたあの人は、死の女神の配下だったんですよ。」
「なんだと!?」
「でも安心してください。彼女はこちらに協力的な存在なので。」
「そいつは信用できるのか?」
「大丈夫です。襲撃の日時までしっかりと教えてくれました。」
俺はカリンに襲撃の日時と場所に書いてある紙を手渡した。それに彼女も目を通したが……首を大きく横に傾げている。
「これは何の文字だ?此方には読めぬ。」
「あぁ……そうだった。実はこの文字は俺の同郷の人間しか読めない文字でして。」
「ではエルフ語に翻訳してもらえるか?」
「わかりました。」
師匠から貰った紙に書いてある、襲撃の日程と場所をエルフ語に翻訳して、彼女に手渡した。
「ふむ……最も速いのが三日後、しかもこの国と来たか。」
「はい、彼女は無理矢理死の女神に突き動かされて、この襲撃を行うことになる……と言っていたので、それを俺に止めてほしいとお願いしてきました。」
「なるほどな。理解した。」
カリンは状況を理解したところで、湯呑みの中に入っていたマンドラ茶を一気に飲み干した。
「要は三日後、社長とその女が思う存分戦えるように、避難の準備を整えておけと、そういう話だな。」
「無駄な被害は出したくないので、できればお願いしたいです。」
「ふむ、わかった。手筈は整えておく。だが、一つ質問があるぞ社長。」
「なんですか?」
「社長はその女に勝てるのか?」
カリンのその質問には、俺は即答することができなかった……。すると、俺の気持ちを察したらしく彼女は一つ頷いた。
「難しいということはよくわかった、答えなくても良い。」
「すみません……。」
「いや、謝ることはない。実際問題、めちゃくちゃな強さの社長が戦って、勝てるかどうかわからんその女には、此方も勝てぬだろうからな。」
そう言ってカリンは笑う。
「三日後までに、此方らで支援できることはなるべく準備しておく。だから、社長はしっかりと体を休め、備えてくれ。」
「ありがとうございます。」
そして彼女と三日後の動きについて綿密な打ち合わせをして、俺は屋敷へと戻った。
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