女性陣の鍋の印象
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せっせと肉と魚……そして野菜を切り分けていると、目の前からぴょこっとシアとメリッサの二人が顔を出した。
「お魚いっぱい!!」
「おにくも…やさいも…たくさん。」
「お兄さん、今日の夜ごはん何〜?」
「今日の夕ご飯は、しゃぶしゃぶにするぞ〜。」
「「しゃぶしゃぶ!!」」
しゃぶしゃぶと聞いて、二人は大喜びしている。恐らくキングクラブとエルダーシュリンプを食べた時の事を思い出しているのだろう。
「今日は残念だけど、キングクラブとエルダーシュリンプはないから、違う魚で我慢してくれ。」
「シア、お魚あるなら大丈夫!!」
「わたしも…だいじょうぶ!」
「うんうん、ありがとな二人とも。」
ポンポンと二人の頭を撫でてあげる。
「もう少しで出来上がるから、向こうで待っててくれ。」
「うん!!待ってる!!」
「おなか…すかせてる!」
そしてパタパタと二人はリビングの方へと戻っていった。それを見送り、調理のペースを上げる。
「肉と魚、野菜は全部別々のお皿に盛り付けて……後は一番出汁に塩で味をつける。」
しゃぶしゃぶに使う食材を全て盛り付け、土鍋に張った一番出汁に塩で軽く味をつけておく。
「うっし、これで完了。」
準備ができたところで、みんながいるリビングに出汁を張った土鍋と、しゃぶしゃぶに使う食材を運んでいく。
すると、鍋を見たランがぱぁっと表情を明るくした。
「あら!!今日は鍋なのね?」
「そ、最近肌寒くなってきたからな。今日は鍋で温まろうと思ったんだ。」
「良いわね!!ワタシお鍋好きよ?コラーゲンのある具材があれば、最高ね!!」
「あ〜……残念だが、今回はコラーゲンの入ってる食材はないかな。」
「あら……それは残念。」
ランが残念そうな表情を浮かべているその奥で、リリンやフレイまでも残念そうな表情を浮かべてしまっていた。
どうやら、あのアンゴロウ鍋のイメージが強すぎたらしい……。鍋といえばコラーゲンが入っていると、印象がついてしまったようだ。
「ごめん、配慮が足りなかった。次鍋をやるときは、コラーゲンのある食材用意しとくよ。」
今回は俺のミスだな。女性陣への配慮がかなり足りていなかった。これは新たに俺の中の教訓に加えておこう。
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