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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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伝えなければならない悲劇

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 翌朝……朝食を食べ終わった後、誰かが屋敷の扉をコンコンとノックしている。


「はいはい、どちら様……ってマドゥ?どうしたんだ、こんな朝早くから。」


「お、おはようございます。えっと……し、シアちゃんとメリッサちゃんと遊ぶ約束してて。」


「なるほど、そうだったんだな。今呼んでくるよ。」


 そしてシアとメリッサの二人の名前を呼ぶと、すぐに飛んできた。


「あ!!マドゥくん、おはよ!!」


「おはよ。」


「お、おはようシアちゃん、メリッサちゃん。きょ、今日は何して遊ぶ?トランプする?」


「トランプもいいけど〜、今日はお外で遊びたい気分!!みんなで鬼ごっこしよ!!」


 するとシアは踵を返してリビングに向かうと、膨らんだお腹をポンポンと撫でていたグレイスを捕まえて、またすぐに戻ってきた。


「うきゅぅぅ……危うくさっき食べたご飯全部出るところだったっす。」


「グレイス!!一緒に鬼ごっこしよ?」


「鬼ごっこっすか?食後の運動にもってこいっすねぇ〜、いいっすよ!!」


「えへへぇ〜ありがと〜。」


 嬉しそうなシアに、グレイスはもみくちゃにされている。だが、グレイスもそんなシアの愛情表現を全身で受けて、まんざらでもなさそうだ。


「じゃあお兄さん!!行ってきます!!」


「いってきます!」


「あぁ、怪我にはくれぐれも気を付けて遊ぶんだぞ〜。」


 無邪気に走っていったシア達を見送っていると、ひょっこりと俺の横からカリンが姿を現した。


「マドゥも友達ができて楽しそうですね。」


「いやはや、最初はどうなる事かと冷や冷やしたものだが……なんとか馴染んでくれたようで、此方も安心だ。」


 今のところ幸せそうな話題だが……アレについて、カリンに伝えておかなければならない。


「幸せな雰囲気をぶち壊すようで心苦しいんですが……。」


「む?なんだ?」


「これをエートリヒから預かっていました。」


 俺はエートリヒから預かっていた、マドゥの母親の診断書を彼女に手渡した。


「これは……そうか、確かに受け取った。」


 カリンはその診断書に目を通すと、やるせなさそうな表情で、折りたたんでポケットへとしまった。


「…………この事実は、マドゥには伏せておいたほうがよさそうだ。知らせてやりたい気持ちも山々だが……。」


「そうですね。しばらくは、伏せておいたほうが良いかもしれません。」


「本当ならあの母親には改心してもらいたかった。そして、息子を愛する気持ちを思い出してほしかったのだが……残念だ。」


 空を見上げて、少し悲しそうにカリンはそう言ったのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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