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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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閉じ込められていた少年

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 物音のした檻の方へと足を進めると、そこには小さな少年が手枷と足枷を着けられて、檻の中に閉じ込められていた。


「子ども?」


 その子どもは、檻の前に立った俺とカリンのことをじっと見つめると、首を傾げた。


「おじさん……じゃない?」


「おじさん?それはナルダのことか?」


 そうカリンが問いかけると、その少年はすくっと立ち上がり、あろう事か手枷を引きちぎってみせたのだ。


「なっ、お前……そこに囚われているわけではなかったのか!?」


「おじさんが言ったんだ……。おじさん以外の人が入ってきたら、()()って。」


 すると、少年はビキビキと歪な音を立てながら、どんどん人ではないものへと姿を変えていく。まるでいろんな魔物が混ざったような、歪な姿へと少年は変貌を遂げると、檻を力任せにぶち破った。


「オジサンハイッタンダ!!テキヲタオシタラ……オカアサンニ、アワセテクレルッテ!!」


 カリンを踏み潰すように振り下ろされた、ドラゴンのような腕を俺は間一髪受け止めた。


「ぐぐ……なんて力だ。」


「ツブレロォッ!!」


 更に異形へと変わった少年が全体重を乗せてくると、俺の立っている床がバコン……と沈んだ。


「ぐっ、おぉッ!!」


 力を横に流すように何とか逃れると、異形の腕が床を貫いてしまう。


「ニガサナイ!!」


 立て続けに、もう片方の手で俺のことを押しつぶそうとしてくるが……。


「二回目は当たらないぞ。」


 それをするりと躱して、一度カリンの横にバックステップで退いた。


「さて、どうします?」


「異形へと変わってしまったとはいえ、子どもは子ども……何とか救う方法はないものか。」


 カリンは少年を助けるために思考を巡らせる。すると、すぐにあることを思いついた。


「ここがナルダの研究施設だとするならば、何か資料があるやもしれん。社長、此方が探してくる間……時間を稼げるか?」


「やれるだけやってみますよ。」


「うむ、では頼むぞ!!」


 そしてカリンは背を向けて、部屋を出ていこうとする。しかし、それを異形となった少年が見過ごすはずはない。


「マテッ!!」


「お前の相手は俺だよ。」


「ジャマスルナァァァ!!ボクハ……ボクハ、オカアサンニアウンダッ!!」


 そう叫びを上げた瞬間……俺を囲うように多数の魔法陣が出現した。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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