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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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解体見学

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 グリズ達がオークを解体する様子を、じっと眺めていると彼らは少し恥ずかしそうにこちらを見た。


「そんなに真剣になって解体の様子を見つめて、どうしたんだい勇者様。」


「ん、あぁ……このぐらいの魔物は自分でも解体ができるようになりたくてな。ちょっとグリズ達のやってる姿を見て、勉強させてもらってたんだ。」


 獣に近い姿の魔物であれば、俺の知識がある程度通用するから解体はできる。

 しかし、今回のような二足歩行で人型のオークだったり……俺が日本で触ることのなかった姿の魔物には、なかなか手が出せないのだ。


「特にこう……オークみたいな人型の魔物の解体はどうやるのか、俺自身興味があったんだ。」


「ほぅほぅ、なんだそういうことだったのか。」


 納得したように頷くと、グリズはオークの解体を進めながら、説明を始めた。


「人型の魔物も、獣の魔物も解体の手順は同じ。まずは血抜き、そんで頭を落として内臓を綺麗さっぱり抜く。後は背骨に沿って肋骨を断ち切り、一つずつ部位を摘出してくんだ。」


 説明しながらもスルスルと作業を進め、グリズはどんどん一体のオークを肉の塊へと変貌させていく。


 それをじっと眺めている最中、俺は魔物の解体が、とある調理の方法に似ていることに気がつく。


(なんだろう……オークの上半身の解体は、魚の三枚おろしに似ているところがあるな。)


 例えば、背骨に沿って刃を入れていくところとか……肋骨から胸肉を外すところなんて、魚の腹骨を包丁で取る作業に酷似している。


 そんな共通点をしっかりとメモしながら、俺はグリズ達がオークを解体する様子をこの目に焼き付けた。


 いざ解体が終わると、グリズが種類分けされた一つ一つの肉の塊を指さして、胸肉やバラ肉……モモ肉などなどと部位の説明までしてくれた。


「そんで……コレがオークの汗腺。臭いのもとだ。」


 オークの汗腺は丸い袋のような形状で、ちょうどオークの腋の内側にあったものだ。グリズ達がこれだけは、超慎重に摘出していたのを俺は見ていた。


「ちなみに興味本位で聞くけど、それを潰したら……どうなる?」


「まぁ、この中に入ってる液体が服についたら、1週間は匂いが取れないな。それに、常に魔物を誘引するから、下手したらこの匂いを求めて魔物が街に押し寄せてくるかもな。」


 お、思っていたよりもヤバい物質だった。取り出すのも滅茶苦茶難しそうだったし。もし今度オークを倒す機会があっても、自分では手を出さずここに持ってこよう……。


 そう俺は改めて決心したのだった。

この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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