腹ペコ少女シア……再び!?
ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。
いつもの食前の挨拶をみんなで終えて、一斉に食べ始めた。すると、真っ先にがっついたグレイスが、目を輝かせながら早速言葉を口にした。
「生とは比べ物にならない位美味しいっす~!!」
「当たり前だろ?しっかり調理したんだから。」
ドーナとランも美味しそうに頬張ってるし、みんな美味しく食べてくれている。
さて、俺も食べようかな。……と思ったとき、不意にちょんちょんっと横から脇腹をつつかれた。
「ん?シアどうした?」
「お兄さん……お魚さんがすっごく美味しくて、もう食べちゃった。」
シアの料理を見てみると、もう魚とご飯が無くなっていた。まぁ、シアは魚が大好きだからな。仕方のないことだ。
「今おかわりの魚焼いてくるからなちょっと待っててな?」
「うん!!」
「あっ!!ヒイラギさん自分も食べたいっす~。」
「ワタシも!!」
「アタイももらえるかい?」
「わかった、じゃあ少し待っててくれ。」
厨房へ向かい魚を焼いていく。
みんな結構食べるからなぁ……一応少し多めに焼いておこう。
そしてせっせと串を打って魚を焼いていると……。
じ~~…………。
不意に後ろから視線を感じたので、振り返ってみると……そこにはシアがよだれを垂らしそうになりながら、既にスタンバイしていた。
「もう少しで焼けるからちょっと待っててな?」
「うん!!」
そして、皆のおかわりの魚を焼き上げテーブルへ向かった。
「ほい、お待たせ。」
「お兄さんありがとう!!いただきま〜す!!」
シアは1番に焼き魚にかぶりついていた。
「もぐもぐ……えへへぇ美味しい♪」
「シアは魚が大好きね。」
「うん!!美味しいもん!!」
さて、そろそろ俺も食べるかな。
落ち着いた所で、まずは焼き魚にかぶりつく。パリッとした皮に、ふわふわの身、ちょうどいい塩味。
これにご飯が合わないわけがない。キノコがたっぷり入った炊き込みご飯を、口に頬張るとキノコの香りがふわっと広がった。
「あぁ、美味しいな……。」
そして、皆で会話を挟みながら楽しい昼食を終えた。
「「「「「ごちそうさまでした!!」」」」」
休憩も取ってお腹も膨れた。まだ夕方にはなりそうもないし、そろそろまたシュベールへと向かって進もう。
「さて、それじゃあ腹もふくれたし。グレイス、行けるか?」
「任せてくださいっす!!」
「よし、それじゃあ出発だ。」
「了解っす~。」
バッグにハウスキットをしまい、グレイスに馬車の装備を取り付ける。
「それじゃあ行くっすよ~」
そしてまたグレイスが馬車を引き始め、ガラガラと馬車がシュベールへと向かって進み始めた。
◇
それから進むこと数時間、周りの空が茜色に染まり始めた。
途中何度か行商人の馬車とすれ違い、その都度驚かれたがちゃんと説明して、面倒事になることは避けることはできた。
「グレイス、そろそろ夜営ができる所を見つけよう。陽が落ちてきた。」
「了解っす~。」
チラリと後ろを覗いてみると、シアがランの膝枕の上で眠っていた。ランが口に指をあてて、静かにって合図をしてくれている。
「ヒイラギさん、この先少し開けてる場所が見えるっす。」
「それじゃあ今日はそこを夜営地にしようか。」
「わかったっす~。」
少し進むとグレイスが言っていた通り、開けた場所に着いた。
「よし、今日はここで夜営だな。」
グレイスから馬車の装備を外し、馬車ごとバッグにしまうと、ハウスキットを展開するのだった。
この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。




