危険な匂い!?
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ミルタ商会のある方へと歩いていると、向こうからドーナ達がこちらへ歩いてきているのが見えた。
「あ!!お兄さんだ!!」
「ぱぱ…はっけん!」
俺の姿を見つけるなり、シアとメリッサの二人が小走りで近づいてきて、俺の腰にぎゅっと抱きついてきた。
その後で、ドーナとランの二人も向こうからゆっくりと歩いてきた。
「お疲れヒイラギ、更新はできたかい?」
「あぁ、ちょっと色々あったけど概ね滞りなくできたよ。」
「よかったわね、ヒイラ………っ!?」
こちらに歩み寄ってきたランが、途中でピタリと歩みを止めた。
「ん?どうしたんだ?」
「ひ、ヒイラギ……あのね?すっごく言いづらいんだけど、何か変な匂いがするわ。」
「マジ?」
自分の服の匂いを嗅いでみるが、特に自分では感じるものはない。
「シア達は何か感じるか?」
「う〜ん、わかんない!!」
「なんか…ぱぱのにおい…おなか…きゅんきゅんする。」
俺にぎゅっとしがみついているシアは何も違和感を感じ取っていないが、メリッサは少し頬を赤くしながらそう言った。
「とっ、とにかく!!一回あの家に帰ってお風呂よ!!そ、その匂いをプンプンさせてるのは不味いわ。」
そしてランはメリッサを俺から引き剥がすと、俺の手を取った。すると胸ポケットに入っていたグレイスに気がつく。
「ぐ、グレイス!?あなたそんなとこにいて大丈夫なの!?」
グレイスを胸ポケットから引っ張り出すと、しばらく声を出していなかったグレイスが、ぐったりとしていた。
「うぁ〜、や、ヤバかったっす〜。」
ぐったりとしながらも、何故か表情だけは恍惚としている。これはいったいどういうことなのだろう。
「事情は後で説明するわ、そのままだとリリンもフレイも危ないの。」
「えぇ!?な、なにがどうなって……。」
そのままズルズルとランに引きずられ、豪邸へと連行されていく。
「あ、ヒイラギさんおかえりなさ……ふぁっ!?」
「ちょ、ちょっとなんて匂いしてるのよ!?」
俺が帰ってきた瞬間、フレイとリリンの様子もおかしくなる。
「ね?だから、早く着替えて体洗ってきて!!」
「わ、わかった。」
ここまで連れてきてくれたランも、表情が赤くなってしまっている。原因が何か分からないまま、俺はとにかく服を着替えて、体を念入りに洗うのだった。
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