オークを追ってきた魔物
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「なんだ……コイツは。」
「あわわ、や、ヤバそうっす。」
目の前に突き刺さった巨大なクチバシの持ち主は、頭が鳥……胴体はライオンで、尻尾が蛇になっている異形の魔物だった。
「キェェェェッ!!」
「うぉっ!?」
耳を劈くような鳴き声に、思わず耳を塞いでいると、尻尾の蛇が俺に噛みつこうと飛びかかってきた。
「チッ、厄介だな。」
幸い、そんなに射程距離は長くはないようで、一回のバックステップで、蛇の射程圏内から外れることができた。
「ひ、ヒイラギさん!!コイツ、グリフォンっす!!ヤバいっす!!」
「グリフォン?」
「伝説の魔物っすよ!!」
グレイスが胸ポケットから叫んでいると、グリフォンという魔物の前に多数の魔法陣が現れる。そしてグリフォンが一つ鳴くと、魔法陣から三日月のような形の風の刃が放たれた。
それは大木をもあっさりと真っ二つにしながら、俺へと向かって飛んでくる。
「また面倒な……。」
チラリと後ろを見ると、目線の先には、以前ランとレッドドラゴンの騒動によって薙ぎ倒されたオーリオの木の残骸が残っている。そこには、新たに芽吹き始めたオーリオの木が伸び始めていた。
「グレイス、ちょっと踏ん張れよ。」
「な、何をするつもりっすかヒイラギさん?」
「大丈夫、お前に怪我はさせない。」
体を龍化させて背中から翼を生やすと、その翼だけを極限まで龍化させた。
「はぁっ!!」
そして、その翼を思い切り羽ばたかせて強烈な風を巻き起こし、無理矢理グリフォンの放った風の刃の軌道を上向きに変えた。
「む、無茶苦茶やるっすねヒイラギさん……。」
「ちょっと避けれない理由があってな。」
必死に胸ポケットに掴まっていたグレイスを、再び定位置に戻しながら、再びグリフォンへと目を向ける。
「さて、今度は俺の攻撃だ。」
あまり森に被害は出せない。そこで俺が選んだ攻撃方法は……。
「纏い衣……水。」
普段あまり使わないウォーターブレスを、俺は両腕に纏わせた。
「行くぞ。」
そして俺は一気にグリフォンへと向かって距離を詰める。その途中で俺は拳を一回振り抜いた。すると、ウォーターブレスを纏わせた拳から、発射された砲弾のような勢いで水の玉がグリフォンへと飛んでいく。
それは単調な軌道の攻撃だったため、あっさりと躱されてしまう。しかし、躱したことによって時間がうまれ、俺は懐へと潜り込むことに成功した。
「存分に飲んでいいから……なっ!!」
懐に潜り込んだ勢いのまま、グリフォンの顎を打ち抜くようにアッパーを繰り出す。それが直撃すると、バシャッと激しい水のぶつかり合う音が響き、グリフォンの体をまるまる水が包み込んだ。
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