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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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バフォメットと盃を

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 ドーナ達が屋敷を見て回っている間、俺は一人ギルドを訪れていた。そして受付に向かうと、ミースを呼んできてもらう。


「あ、ヒイラギさんおはようございます!!」


「おはようミース。ちょっとダンジョンに入りたいんだが…。」


「ダンジョンですね、お一人……ですか?」


「あぁ、ちょっと今日は一人で行きたくてな。」


「分かりました。では、こちらへどうぞ。」


 ミースに案内されて、ギルドの地下にあるダンジョンの入り口まで向かった。


「ヒイラギさんなら大丈夫だとは思いますけど、念の為気をつけてくださいね。」


「あぁ、わかってる。それじゃあ行ってくるよ。」


 そして、俺は一人でダンジョンの入り口を潜り、ダンジョンへと潜入した。


 ダンジョンの中は変わらず、一階は迷路、二階は森林……三階は海で、四階がアイツのいるボス階層だ。


「さて、アイツ元気にしてるかな。」


 ボス部屋の巨大な扉に手を触れると、ゆっくりと扉が勝手に開いていき、ボス部屋の中が露わになる。


「クックク、待っていたぞ!!」


 中央に鎮座していたバフォメットは、俺の姿を見るなり、歓喜しながら凄まじい勢いで向かってくる。


「おっと、今日は戦いに来たわけじゃないんだ。」


「むっ!?」


 飛びかかってきたバフォメットに制止の声をかけると、奴はピタリと止まった。


「では何をしにここへ来たというのだ?」


「今日はお前と飲みに来た。」


 俺はどっかりと地面に座り込んで、マジックバッグから獣人族の国の特産品である芋酒を取り出した。


「それは……酒か。」


「あぁ、お前には随分と世話になったからな。一緒に酒を飲みたいと思ったんだ。」


 そう言うと、バフォメットはくつくつと笑った。


「ククク、ダンジョンのボスである我と酒を飲み交わしたいなど……そんなことを言った人間は、ヒイラギ…お前が初めてだ。」


 そしてバフォメットも俺の前にどっかりと座った。


「ま、悪くないだろ?」


「まぁな。」


 バフォメットの盃に、俺はなみなみと芋酒を注いだ。


「我からもくれてやる。」


「ん。」


 するとお返しと、バフォメットも俺の盃に芋酒を注いできた。


「ほんじゃ、乾杯。」


「うむ、乾杯だ。」


 お互いの盃を天に掲げて、俺達はグイッと盃に注がれた酒を飲み干した。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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