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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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エルフの礼装

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 翌朝、目が覚めると目の前にカリンの顔があった。


「おはよう社長。よく寝られたか?」


「まぁ、ほどほどには……。ちなみにどうして俺の上に乗っかってるんです?」


「昔の文献で、人間はこうやって起こされると喜ぶと読んだことがある。社長は違うのか?」


「多分、人それぞれだと思いますけど……。」


「ふむ、そうか。」


 少し残念そうにカリンは俺の体から降りた。


「さて、社長……準備ができたら獣人族の国へ向かおうと思うが、やることはあるか?」


「どら焼きだけ、作らせてください。」


「わかった。…………此方の分も作ってくれてもよいのだぞ?」


「わかりました。」


 カリンとともにリビングに向かうと、そこには普段と少し違う服装のフィースタがいた。


「おはようございます。」


「おはようフィースタ。今日は少し服装が違うんだな?」


「はい、他種族の国王との面会ですから……この国に伝わる礼装を身に纏いました。」


「ちなみに、この礼装の設計を考えたのは此方だぞ。」


 どうやらエルフの礼装を設計したのはカリンらしい。この大きく開いた胸元とか……ヒラヒラの羽衣の間から見える太ももとか……これが礼装で良いのだろうかと、思わず心配になるデザインだ。


 チラリとカリンの姿を見てみるが、彼女は礼装らしい服装に身を包んではいない。不思議に思っていると、少しムッとしながら彼女はこちらを向いた。


「社長……今考えていることはわかるぞ?どうして此方がこの礼装に身を包んでいないのか、気になっているのだろう?」


「えっ!?ま、まぁ……そうです。」


 フワリと彼女は宙に浮くと、俺の耳元でコソコソと囁いた。


「どう考えても此方が着れる服ではなかろう!?フィースタのように胸も尻もデカくはないのだぞ?」


 じゃあどうしてそんな設計にしたのか……と聞き返したかったが、更にカリンの怒りを煽りそうなので、グッと飲み込んだ。


「し、失礼しました。」


「ん……よろしい。」


 すると、カリンはフィースタが淹れてくれたマンドラ茶を口にする。


「社長、此方はどら焼きを強く所望する。」


「わかりました。」


 先程の無礼のお詫びに……と俺は、シンとエートリヒへのお土産で持って行く分と、カリンが食べる分のどら焼きを用意したのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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