面会をするための準備
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それから約一ヶ月の月日が流れた。
カリンの願いを達成する為、この一ヶ月はとんでもなく忙しかった。まず新入社員のエルフ達一人一人が、今販売しているお菓子を1から作れるように教育した。幸いだったのは、本当に彼女達は覚えが早かったということ。
今では、俺がいなくても屋台の営業をこなせる様に立派に成長してくれた。
そして次に、俺がエルフの国を離れている間、会社を守る社長代理をある人物に任せた。その人物とは……。
「やぁやぁ!!みんないらっしゃ〜い!!今日も美味しいお菓子がたくさんあるよ〜!!」
屋台の前で客を呼び込むリコ……彼女に俺は社長代理を任せたのだ。正直な話、みんなをまとめ上げるという点においては、フィースタの方が適任ではあったのだが、彼女は国長というこの国の中でもめちゃくちゃ重要な役職に就いている。ただでさえ忙しい身に、更に鞭を打つことは俺には出来なかった。
それに、彼女はこれから更に忙しくなることが分かりきっていたからな。
屋台の近くで営業風景を見守っていると、こちらにフィースタが歩み寄ってきた。
「すっかり彼女達も慣れてきたみたいですね。」
「こればかりは、エルフの適応能力が凄まじいとしか言いようがないな。普通、一ヶ月じゃ時間が足らない。……あ、そういえば一緒に働きたいっていうエルフ達の一覧ってできてるか?」
「もちろん出来てますよ。こちらです。」
フィースタから一人一人のエルフの名前が書かれた紙を受け取り、目を通した。
「全部で56人か……これってもう重要な役職に就いてるエルフとかは省いてあるんだよな?」
「はい。カリン様と確認しながら、あなた様の会社で働いても問題ないエルフ達を厳選しました。」
「助かる。」
最初に入社した新入社員のエルフ達から、話を聞いたり、実際に働いているところを見て、カリンの元へ働きたいという旨を伝えに行っていたエルフ達。
彼女達の意思を無下にしたくは無かったので、俺はある計画を練っていたのだ。
「彼女達には、エルフと他種族との交流が始まったら、人間の国と獣人族の国で営業をしてもらおうかな。」
「それは良い案かもしれませんね。」
「まぁ、そうするにも……今度フィースタとカリンが人間と獣人族の国王に会ってからじゃないとな。」
最終的に交流するかどうかを決めるのは彼女達だ。もし、仮に交流できないと決定してしまった場合は……また別な方法を考えよう。
そして俺は、フィースタと共にカリンの屋敷へと向かうのだった。
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