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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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1000年を生きるエルフ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 フィースタと共に彼女の屋敷に帰ってきた後、俺はエルフの最長老だというカリンのことについて、彼女と話をしていた。


「フィースタ、あのカリンって人について少し教えてくれないか?」


「カリン様は、私達全てのエルフの母のような御方です。私も幼い頃からカリン様に愛でられて、ここまで育ちました。」


「……ってことは、あの人はとんでもない年月を生きているってことだよな。」


「ご本人は覚えていないと仰っていますが、文献に残っている限りでは、国が国と成る前から世界樹に住んでいたと。」


「ちなみにそれって何年ぐらい前の話なんだ?」


「約1000年ほど前の事だと……。」


「せ、1000年前!?」


 俺の知っている年長者と言えば、レイやミクモ…そしてバフォメットだが、そんな彼女達を子供扱いできる程だというのか!?


「と、とんでもないな。」


「えぇ。私も形式上は国長という身分ですが……全ての事柄の最終決定権は、カリン様にあるんです。」


「……それなら尚更、あんな約束をあっさりと結んでくれたのは疑問だな。」


 それぐらい責任のある立場なら、あんな無茶な発言は控えると思うんだが……。


「カリン様は他の長老達と違って、新しいこととか珍しいことが好きなんです。きっと、1000年もの間にも食べることのできなかった、珍しい甘味を食べて、あなた様に興味をもったのではないでしょうか?」


「ふむ。」


 どちらにせよ、俺にとって好都合なことに変わりはない。毎日お菓子を届け、更に新しいお菓子で彼女を喜ばせる……。そうすれば言う事を一つ聞いてくれる。


「あの、カリン様に何をお願いするのか……って決まってるんですか?」


「うん、まぁある程度は。」


「参考までに聞かせてもらってもいいですか?」


「あぁ、もし言うことを聞いてくれるってなったら、一度人間の国王と、獣人族の国王と会ってほしい……とお願いするつもりだ。」


 それを聞いたフィースタは、きょとんとした表情を浮かべる。


「こ、この国から出してくれ……ではなくですか?」


「ん?どうしてそんな願いをする必要があるんだ?」


「だって、あなた様は人間ですし、元の国に戻りたいと思うのは当然かと思って……。」


「う〜ん、まぁ確かに帰りたい場所はある。でもそれは人間の国ってわけじゃないんだ。」


 するとフィースタは首を傾げてしまう。


「俺が帰りたいの場所は、帰りを待ってくれてる仲間のいるところだ。」


 みんながいるところなら、その場所がどうとかは関係ない。そんな俺の話を、フィースタはうんうん……と大きく頷きながら聞いていた。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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