王都の競売所
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翌朝、早速競売が行われるという王都へとグレイスに飛んでもらっていた。
「グレイス、王都の場所は覚えてるな?」
「任せてほしいっすよ〜。自分、記憶力は良い方なんす〜。」
「じゃあ任せるぞ。」
高速でグレイスは王都へと向かって飛んでいく。やはり進化したグレイスの飛ぶスピードはすさまじく、ヴェールから王都まではかなり距離があるというのにも関わらず、お昼前についてしまった。
着いてから、軽い昼食を済ませた後で、俺たちはドーナの案内のもと、競売が行われるという会場へと向かっていた。
「王都で開かれてる、デカい競売所って言ったら…やっぱりここだと思うけど。」
「この階段を下った先にあるのか?」
「そうだよ。この地下には王都のいろんな娯楽施設が集まってるんだ。」
「娯楽って言うと……賭け事とか?」
「そういう感じさ。まぁ入ってみればわかるよ。」
そしてドーナが地下への階段を下って行こうとするが、その前に一つだけ確認しなきゃいけないことがあるから、それだけは確認しておこう。
「ドーナ、この地下に子供って入っていいのか?」
「保護者同伴なら何も問題ないよ。シアとメリッサの二人にはアタイ達がついてるから大丈夫。」
「安心したよ。」
一つ懸念が晴れたところで、早速地下への階段を下って行った。まず階段を下りた先に現れたのは、巨大な賭場。
「これが王都の賭場だよ。いろんな賭け事ができるようにいろんな設備がそろってるよ。」
「ほぉ~……。」
あんまりギャンブルには興味はないが……どうせ競売が始まるまではまだ時間がある。その間にちょろっと遊んでみるのはいいかもしれない。
「ここは後でまた来よう。その前に競売の会場に行って、例の果実があるか……確かめておこうか。」
賭場の奥にある扉をくぐると、その先の広い部屋にはたくさんのテーブルと椅子が並べられている。舞台の上には、よくオークションで見かけるような司会者が解説、入札を管理する机と商品を置くのだろう豪華な装飾が施された台が置かれている。
そこで会場の設営をしている男性に俺は声をかけた。
「ちょっといいか?」
「はい、なんでしょう?」
「今日ここの競売にヴェールで採れたという果実が出品されてるか、確認したいんだ。」
そう問いかけると、彼は一つ頷いた。
「ございますよ。ご入札をご予定されておりますか?」
「あぁ。」
「では、夜にこちらを持ってもう一度ここにお越しください。」
手渡されたのは番号が刻んである妙な金属で作られた札。彼曰くこれが入札権の証明になるらしい。
目的のものがあることも確認できたので、夜までの間…少し賭場で遊んでいこう。軍資金が増えればいいな。
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