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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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良い商いを

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


次回更新は22時です。


 ミルタさんを案内してきたのは、魔物肉専門店。ここの店主のジルならば……人の国で顔が広いミルタさんと良い取引ができると踏んだのだ。


「ここは魔物肉専門店というお店です。」


「魔物肉専門店……その名の通り、魔物の肉を扱っているお店ですか?」


「はい、なかなか珍しいでしょう?」


「えぇ、私たちの国でも魔物の肉を食べる文化はありますが……このように専門的に扱っている商人はおりません。これも文化の違いというものですな。」


 そしてミルタさんとともに中に入ると、早速ジルが出迎えてくれた。


「いらっしゃいませヒイラギ様、お久しぶりでございます。」


「久しぶり。商いは順調かな?」


「はい。サラマンダーの肉が大盛況で……飛ぶように売れております。」


「それはよかったよ。」


 すると、ジルは俺の隣にいたミルタさんに目を向けた。


「ヒイラギ様、こちらの御方は?」


「あぁ、俺の国では名の知れた商人さんだ。」


「おぉ、そうでしたか。失礼、ご挨拶が遅れてしまいました。私、当店の店主を務めております。ジル…と申します。以後お見知りおきを。」


 ジルが自己紹介をして、ぺこりとお辞儀をすると、ミルタさんもあわてて自己紹介を始めた。


「ご、ご丁寧にありがとうございます。私はミルタと申します。ご紹介にあったように、人の国で商人をしております。」


 二人の自己紹介が終わったところで、俺はジルに今日訪ねてきた要件を早速伝えた。


「実は、ミルタさんがこの国で取引相手を探してるらしくて。ミルタさんなら人間の国にしかいない魔物の肉も仕入れられるし、ジルにとってもいい取引相手になるかもと思って連れてきたんだ。」


「なるほど、そういうことでしたか。確かに人間の国にしかいない魔物には、かなり興味をそそられますなぁ。」


 ジルは顎髭に手を当てながら何度も頷いた。好印象を抱いているジルに、ミルタさんがここぞとばかりに畳みかける。


「ご要望があれば定期的に様々な食用にできる魔物を、できうる限り安値でお譲りいたします。もちろん希少な魔物も優先的にお譲りします。い、如何でしょう?」


「ほっほっほ、そこまで言われては断る理由はございませんな。もとより、ヒイラギ様の紹介ですから断るつもりもありませんでしたが……。あなたの目を見て、きっとお互いに良い商いができると確信いたしました。」


 ジルはそう言って笑うと、ミルタさんに手を差し伸べた。


「共に良い商いをいたしましょう。」


「おぉ!!か、感謝いたします!!」


 そして二人は熱い握手を交わしていた。その後これからどういう形でお互いに取引をするのか、綿密に話し合っていた。


 俺がミルタさんにできる手助けはここまでだ。後はきっとジルの人脈やら何やらをうまく使って、取引相手を増やしていくだろう。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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