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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第4章

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満を持しての登場

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


「おい、シン……まだなのか?」


 目の前で何とかして服を着ようと踏ん張るシンに、半ば呆れながら問いかける。


「ちょっと待って欲しいのだ!?なぜッ、こうも…ぬぐぐ!!服が入らぬ!?」


 シンは服が着れなくて悪戦苦闘しているが、それにとうとう追い討ちをかけるように悲劇が訪れた。


「ぬぅ!?今ビリッと嫌な音がしたぞ!?」


「うん、服破けてるよ。」


 無理矢理、入らない服を着ようとしていた代償は大きかった。シンの服は縦に大きく裂けてしまったのだ。


「どうすればいいのだぁ~!!」


 頭を抱えながらシンはうずくまる。まったく、人の前に出るからって、わざわざ派手な服着なくてもいいのに……見栄を張った罰だな。


「仕方ない、取りあえずこれ着てればいい。」


 バッグから一着、服を取り出してシンに渡した。


「むっ!?こ、これはヒイラギの服ではないのか?」


「違う、シンが着るかもしれないって、こっちの服屋で買ってきてたんだよ。一番大きいやつを買ってきたから、着られるだろ?」


「た、確かに着れる……しかし、これで我の雰囲気はでるだろうか?」


「嫌なら裸で出るか?」


「それは恥ずかしい!!」


 渋々、シンは渡された服を着始めた。


「この服は、後でミクモに直してもらおう。」


「うむ。」


 たぶん今ごろミクモは公務に追われていることだろうな。今度あっちに行くときは、たっぷりいなり寿司を持っていかないと文句を言われそうだ。


「ほらほら、お偉いさんが待ってるんだ。早く行くぞ。」


 服を着終えたシンの腕を引っ張り、シンと共にロッカールームから出た。


「すみません、お待たせしました。皆さんに紹介したい人……というのはこの人です。」


「待たせてすまぬな、人間の方々。我はシンッ、獣人族の王だ!!」


 と、シンは高々と名乗るが……エートリヒを除くバイル達はそれどころではないらしい。口をあんぐりと開けて固まってしまっている。


「な、な…まさか、じゅ、獣人族なのか!?」


「はい、彼の名前はシン……()()()()()()です。」


「「「「なんだって!?」」」」


 バイル達の反応を見てエートリヒはクスリと笑っている。


 彼らの反応を見ていると、シンがちょんちょん…と肩をつついた。


「ヒイラギ、彼らは何と言っているのだ?」


 シンの反応も前とまったく同じだ。後で言語理解のスキルを持った魔物を倒して、宝玉をドロップさせないといけないな。後々必要になるだろうから……な。

 エートリヒに紹介したときと、まったく同じ皆の反応に、思わずデジャヴを感じてしまうのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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