シンに起きたアクシデント
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バイル達をハウスキットの中に招き入れ、ひとまず話し合いの場を設けることにした。見たことがない内装に驚いている様子だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「さて、そちらの方も目覚めたようですし、話し合いを始めましょう……と言いたいところなのですが、まず先に皆さんに紹介したい人がいます。」
そう言うと、エートリヒが心配そうな表情で問いかけてきた。
「貴公が紹介したい人というのは、あの方のことだろう?大丈夫なのかね?」
「遅かれ早かれ紹介しないといけなかったので……少し予定は早まりましたが、大丈夫です。」
「そうか。では、あの御方を紹介する前に、そこの騎士諸君に先に言っておこう。今から紹介する人物を目にしたら、もう後には引けない……君たちに国王に牙をむく勇気があるかね?」
エートリヒが騎士たちに問いかけると、少し間を開けてキースが口を開いた。
「未だ……私の大切な部下たちが陛下の魔の手に捕らわれているはずです。私は彼らを見捨てることなんてできません!!たとえ陛下に牙を向けることになったとしても、私は彼らを救いたいんです。」
「じ、自分たちはキース団長についていきますッ!!」
「ふっ…少々野暮な質問だったかな。」
キース達の意思を聞いたエートリヒは、少し笑いながらこちらを向いて言った。
「では、協力してくれるということでいいんですね?」
「是非にっ……。」
彼らの意思がここまで確固たるものならば、断る理由はないだろう。
「わかりました、では彼の紹介をしましょう。シン、出てきていいぞ?」
待機していたはずのシンに声をかけるが、一向に出てくる気配がない。どうしたのかな?疑問に思っていると、ロッカールームの中からシンの声が聞こえた。
「ちょ、ちょっと待ってほしいのだ!!ぐぬぅぅぅぅ……な、なぜ服が入らぬ!?ま、まさか我が太ったというのか!?」
どうやら着替え中に何らかの事故があったようだ。仕方ない、ちょっと様子を見てくるか。
「すみませんちょっと様子を見てきます。」
一度席を立ち、シンが入っているロッカールームへと向かった。
場にヒイラギがいなくなってから、バイルがエートリヒに問いかける。
「オーナルフ、お前は今から出てくる人を知っているようだが……いったい何者なんだ?」
「それは出てきてからのお楽しみ…と言いたいところですが、一つだけお教えしましょう。今から出てくる御方は、ここにいる誰よりもはるかに身分が高いので、言動と立ち振る舞いには気を付けた方が良いかと。」
「オレたちより身分が高いだとっ!?」
「本当にいったい何者なんでしょう…。」
エートリヒの言葉に頭を悩ませながら、バイル達はヒイラギが入っていったロッカールームを眺めるのだった。
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